北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2018年2月20日火曜日

冬の里山でシカを追って

先日、地元の猟友会の方々に声をかけていただいて、巻き狩り(シカの追い込み猟)に参加しました。
当地を含めて中山間地ではシカやイノシシによる農作物への被害が深刻で、増えすぎてしまったシカやイノシシの数を減らすために行政からの補助事業としてこのようなことが行われています。
巻き狩りとは、「勢子」と呼ばれる人たちが大声をあげながら鹿を追い込み、逃げてきた鹿を待ち構えていた猟師の方が猟銃で撃つというもの。
私はその「勢子」として参加したわけです。
雪の里山には動物の気配がいっぱい、このような動物の足跡があちこちにあります。
これはシカの足跡ですが、猟師さんたちはこの足跡を見ながら作戦を立てるようです。
「勢子」の私は猟師さんの指示通りに大声をあげながら歩くだけなのですが、冬ごもりモードだった体にとって、静寂の雪の里山を大声をあげながら歩くのはとても気持ちの良いものでした。
この日の猟果は立派な角を持った大きな雄シカが一頭。
威厳のある顔つきでした。
ついさっきまで元気に走っていたであろうシカが横たわっているのを見ると、何とも言えない複雑な気持ちになります。
仕留めたシカは雪の上でさばいてお肉をその場で希望する人で分け合います。
全部をきれいに解体するのは大変なので、後ろ足のモモと背と肩のロースの部分のみでしたが、猟師さんの見事なさばきぶりにただただ感心してしまいました。
私もたくさん分けていただきました。
シカの命に感謝していただきたいと思います。
シカ肉は普通に焼いたり煮たりするとかたくなってしまうので、柔らかく食べるには工夫がいるようです。
昨年は、冷凍しておいたものを解凍してお客さんが来た時にバーベキューにして食べることが多かったのですが、今年は他の食べ方にもチャレンジしてみたいと思います。

近年、ジビエとしてシカやイノシシの肉が注目されつつありますが、有害鳥獣として捕獲されたシカやイノシシはまだまだ有効に活用されているとは言えない現実があるようです。
例えばその場で肉の引き取り手がいなければそのまま処分されてしまうということも…。
なにしろ解体するのはかなりの大仕事です。
困った存在のシカやイノシシですが、その命を出来るだけ最後まで活かしきるような仕組みが出来るといいなと思います。
長野県内でも、ここからは少し離れてしまいますがジビエの加工所を作る予定があるようです。
私もまずはさばき方を覚えたいものです。