北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2020年4月18日土曜日

田起こし、種籾浸種など田んぼ仕事始まりました。

4月に入ってから寒い日が多かったのですが、ようやく雪のアルプスをバックに桜が咲きました。
いよいよ今年の田んぼ仕事が始まりました。
まず、天気が続いて田んぼが乾いてきたころを見計らって田起こしです。
冬眠していた田んぼに空気を入れてを起こすようなイメージで、ゴロゴロと粗く耕すよう心掛けます。
田んぼの命が動き出します。
続いて充実した良い種籾を選ぶための選別作業。
昨年秋に種取した種籾を、古い餅つき機を使って籾についているノギや軸を取り除いたうえで、2.2㎜の網の選別機にかけて小さな籾を落とします。
続いて塩水選、濃い食塩水を作って浮いた籾を取り除き、沈んだ充実した種籾を使います。
約20%の食塩水を作るのでかなりの量の塩を使います。
塩水選後はすぐに温湯消毒。
あらかじめお風呂を熱めに沸かして60℃まで上げておき、塩水選を終えた種籾をすぐに7分間漬けます。
60℃のお湯って手を入れていられないほど熱いです。
この温湯消毒をすることで、農薬を使用することなく種籾由来の病気を予防することが出来るのですが、温度と時間が過不足すると発芽率が落ちたり逆に病気予防効果が上がらなかったりするので、温度計とタイマーとにらめっこでかなり神経を使います。
この塩水選と温湯消毒は、農薬を使わずに病気を防ぐための優れた知恵ではあるのですが、自然の摂理とは少し離れてしまっている方法かなと感じています。
田んぼの泥で選別消毒をするという方法もあるようで、その方がより自然な方法だなとは思うのですが、なかなか踏み切れないでいます。
温湯消毒が終わったら冷水に漬けて、種蒔きまで約一週間浸漬しておきます。
今年はいつもの「ササニシキ」と「白毛モチ」に加えて、ササニシキの親に当る「ササシグレ」という品種の種籾を知り合いが分けてくれたので、試験的に植えてみようと思います。
楽しみです。
畑では麦が青々として上へと伸び始めています。
世の中はコロナウィルスで大変なことになっていますが、自然界はまるでそんな騒ぎとは関係無いかのように巡っています。
今年も無事に田んぼ仕事ができることに感謝です。

2020年4月1日水曜日

発酵三昧の日々

先日、再び寒の戻りで予想以上の大雪となりました。
冬の間は一度も雪かきをしなかったのに、3月末になって初めて雪かきをすることに。
湿った重い雪だったので良い汗をかきました。
さてそんな中、発酵三昧の日々を過ごしておりました。
味噌用の米麹を仕込んでは、
週末ごとに出来た麹と大豆で近隣のお客さんと一緒に味噌作り。

丹精込めて栽培した自然栽培の大豆とお米(米麹)がそれぞれの家庭に味噌として旅立って行きました。
美味しい味噌になれよ~。
近隣の方、よろこぶつち農園の自然栽培の大豆とササニシキの米麹で手前味噌を仕込んでみませんか~?
来年になってしまいますが、まだ少し枠に余裕があります。
多めに作った米麹でどぶろくを仕込んでみました。
米麹と蒸かしたお米と湧水、スターターとして純米酒の酒粕にレモン汁を少々。
10日ほどでブクブクと元気に湧いてきました。
初めは甘い乳酸飲料のような味わい、やがて徐々にアルコール発酵が始まって複雑な味わいへと日々味が変化していくのが面白いです。
飲んで量が少し減ってきたら、再び米麹と蒸かしたお米・湧水を足すとまた元気にブクブク湧いてきます。
生きた乳酸菌と酵母、微生物たちが愛おしく感じます。
これを毎日飲み始めてからお腹の調子も体調も良いような気がします。
そして、このどぶろくはパン種にもなるのです。
昨年収穫したスペルト小麦の全粒粉とどぶろくでパンを焼いてみました。
仕込んだ生地を少し温度かけるととても元気よく膨らんでくれました。
焼いてみるとほのかにお酒の香りのするとても風味の良いパンが焼けました。
いや~、発酵の世界は面白いです。
こんな時だからこそ、生きた本物の発酵食品を自給することがますます重要になってくるのではないかと思います。
来週は去年仕込んだ醤油の搾りもやる予定です。

そろそろ田んぼの田起こし作業を始めたりしたいのですが、ドカ雪とその後の雨で田んぼは水浸し、しばらくは田んぼに入ることはできなさそうです。