北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

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2021年12月3日金曜日

冬の到来!大豆の収穫と麦の種蒔きなど

 11月末から一気に真冬の寒さがやって来ました。

11月の最後の週末の朝、起きたら一面雪景色でびっくり。
慌てて車のタイヤを冬タイヤに履き替えました。

その後幸いに雪は溶けたのですが、毎朝霜が降りたり氷が張るなどの厳しい冷え込みです。
最低気温は-2℃から-5℃まで下がる日も。
昼間は晴れて白く輝く北アルプスが美しいです。
当地は東に山を背負った西斜面の山里なので、日の出が遅くて午前中はなかなか気温が上がらず外仕事はちょっと辛いので朝はゆっくりのスタートです。
さて、前回の投稿から間が空いてしまいました。
11月は大豆の収穫、麦の種蒔きなどで忙しくしていました。
今年の大豆栽培、2枚の大豆畑のうち1枚は、種蒔き後の梅雨の長雨で発芽率が悪かったうえに夏前頃にシカに食べられて全滅。
慌てて別の畑に、晩生のスペルト小麦の収穫後に約3週間遅れ(7/20頃)で種を蒔き直すというハプニングがありました。
どうなることやらと思っていたのですが、その後の生育は順調で秋に暖かい日が多かったおかげか冬になる前に収穫までこぎつけることが出来ました。
種蒔きが遅れた分、収穫も3週間遅れの11/20頃となりました。
もう一枚の畑は例年どおりの種蒔き・収穫となりました。
大豆の収穫は、刈り払い機で株を刈り倒した後に、刈り倒した株を手作業で集めて束ねてハザ掛けにします。
とにかく手作業で手間がかかる作業なので、味噌の会・醤油の会の仲間に毎年手伝ってもらっています(作業風景は写真を撮り忘れてしまいました。)。
興味のある方はぜひ一緒にいかがですか?
収穫が終わった夜は毎年囲炉裏を囲んで収穫祭をするのが恒例になっています。

そして先日、十分に乾いた頃に大豆専用の脱穀機を地元の農協から借りてきて脱穀作業をしました。
今年は2枚の畑で収穫時期がずれてしまったので、初めに収穫した畑のものは乾き過ぎて莢が弾けて豆が下に落ちてしまっているものが多くてもったいない状態、遅れて収穫した畑の方は部分的に生乾きの株もあり出来ればもう少し干したい感じでした。
機械を借りて来る都合で一度にやってしまいたいので、収穫時期がずれるというのはとてもやりにくいですね。
脱穀機からはプリっとしたきれいな豆たちが出て来ました。
今年は蒔き直しのハプニングの影響もあって収穫量は例年よりも少なくなってしまいましたが、比較的に虫食いやくず豆が少ないような気がします。
この後、選別機にかけて大まかに選別し、12月中旬頃から仕上げの手選別をしながら販売を始める予定にしております。
大豆の収穫と並行して麦の種蒔きもしていました。
例年どおり11月の初旬に収穫できた一枚目の大豆畑には、大豆の収穫後にすぐにトラクターで整地して大麦と南部小麦を蒔きました。
写真は南部小麦の現在、無事に発芽して寒さに負けずにゆっくりと成長しています。
こちらは別の畑に蒔いたスペルト小麦。
大豆の後作ではないため南部よりも少し早めの10月末に種蒔きが出来た分、より大きく成長しています。
これからの厳しい冬を乗り越えてたくましく健やかに育ってくれますように。
合間を縫って今年も干し柿を吊るしました。
今年はいつも採らせてもらっている近所の柿の木が不作で、例年よりもかなり少ない仕込みになってしまいました。
軒下に柿すだれが連なっている風景は本当に豊かな気持ちになります。
お日さまと冬の風にあたって美味しい干し柿になりますように。







2021年8月21日土曜日

久しぶりの青空

昨日はようやく長雨のトンネルから抜けて久しぶりにお日様と青空に恵まれました。

お日様って本当にありがたい。

でも日差しも吹く風も既に夏ではなくてすっかり秋の気配です。

この後はしばらく曇りがちのすっきりしない天気が続く予報で、残暑らしい残暑もなくこのまま秋になってしまうのかな?

幸い、大雨長雨の直接的な被害はなかったのですが、少し標高の高い田んぼは稲の開花と長雨が重なってしまい、実の入りがどうなるか少々心配です。
こちらは晩生のシラケモチ。
名前の由来になった白くて長いノギが美しいのですが、やはり開花と長雨がもろに重なってしまいました。
また、一部の少し生育過剰気味だった田んぼでは、長雨でいもち病が出てしまいました。
今のところまだ軽症ですが、これが穂いもちにまでならないよう祈るばかりです。
猛烈な暑さの続いた後の長雨と低温という本当に極端な気候で、稲にとっても試練の気候だったと思います。
このところ、毎年のように極端な天候が続いていて災害も頻発し、気候変動の影響が確実に私たちの身に降りかかりつつあることを改めて思い知らされます。
長雨の期間中、まだ8月だというのにあまりの涼しさと洗濯物を乾かすために薪ストーブをつけてしまいました(笑)。

畑では大豆が花の盛りです。
水色のきれいな花が咲きます。
でも例年よりも生育が遅い感じです。




 

2021年8月6日金曜日

猛暑の中、ササニシキの出穂が始まりました。

久しぶりの投稿になってしまいました。

梅雨明け以降猛暑が続いていて、ここ信州の山里でも昼間は35℃近くまで上がります。

そんな暑さの中、ササニシキの出穂・開花が始まっています。

梅雨明けが早く暑い日が続いた影響か、例年よりも少し早い出穂となりました。

今年もいろいろと課題があり田んぼによってはあまり生育の良くない部分もあるのですが、それでもその生を全うしようとする稲の健気な姿に心打たれます。

「花水」という言葉があるくらい、この出穂開花の時期は特に水を必要とすると言われていて、水を切らさないよう毎日水管理に気を遣います。
この暑くて日照りが続く天候でも、安定した水量が流れ続ける花尾の湧水は本当にありがたい存在です。
写真は花尾の湧水の水源です。
ここからさらに水を集めて水量を増して流れ出て、この地区の田んぼを潤しています。
大豆畑もカラカラで干上がりそうだったので、元田んぼの利点を生かして畝間に水を引き込んで灌水しました。
大豆も喜んでいるようです。
同じ畑の2週間ほど前の写真。
大豆が草に覆われそうだったところを管理機で中耕除草して救出しているところです。
梅雨時の長雨の後の日照りで、畑の土が日干し煉瓦のようにカチンコチンに固まっていて管理機が悲鳴を上げていました(人間も)。
もう一枚別の畑に蒔いた大豆は、田んぼから転作したばかりの畑だったので水はけが悪く、梅雨時の長雨で水没してしまってかなり消えてしまったのですが、生き残った大豆を今度はシカが食べに来て上半分をほとんど食べられてしまいました(電気柵をしているのに!)。
大豆は強いので上が食べられてもまたそこから芽を伸ばして成長するのですが、この畑の付近はシカの活動が活発でそこをまた鹿が食べに来る可能性が高く、どうしたものかと…。
夏のアルプスと棚田の風景です。
今後の気候が順調でありますように。

2020年11月30日月曜日

大豆の脱穀、干し柿作り

再び寒さが戻ってきて、朝は霜が降りたり氷が張ったりするほどの冷え込むようになりました。
先日、地元のJAから専用の脱穀機を借りてきて大豆の脱穀をしました。
この機械はハザ掛けして干していた大豆の株ごと突っ込むと大豆だけ出てくるという優れもの。
買うととても高価な機械なので借りられるのはありがたいことです。
莢やガラは風で飛ばすのですが、良い豆も一緒に飛ばしてしまってロスが出るのが少し悩ましいところですが…。
プリっとしたきれいな豆が出てきました。
これでまた味噌や醤油、納豆を仕込むことができます。
無肥料・無農薬でこんなにも豊かな恵みをもたらしてくれる自然に感謝です。
今年は種蒔き直後の7月の長雨で初期生育が悪くどうなることやらと心配しましたが、梅雨明け後の8月からぐいぐいと追い付いてくれてほぼ例年並みの生育となり、大豆の生命力の強さに感動しました。
ただ、作付面積を少し減らしたため収穫量はその分少なくなりそうです。
現状では虫食いやくず豆が混ざっているため、ここから選別機にかけて選別し、さらに仕上げに人の手による選別を経て皆様にもお届けする予定です。
12月上旬頃には販売を開始したいと思っております。
どうぞよろしくお願い致します。

話の順番が逆になってしまいましたが、大豆の脱穀に先立って干し柿を作りました。
軒下に柿すだれ、私の大好きな風景です。
この風景が見たくて毎年干し柿を作るようなものかもしれません。
干し柿が欲しいというお客様は多く、また近所には放置された渋柿の木もあるので、本当はもっとたくさん作りたいのですが、干し柿作りはとにかく手間と時間がかかるので一人ではこのくらいが精いっぱいかもしれません。
順調にいけば、年明け後1月下旬頃には食べ頃になり販売できると思います。
お楽しみに!

自給用の野菜畑では今年は大根が豊作でした。
朝晩の冷え込みで大根は甘みを増し美味しくなるのですが、この先さらに寒くなって地上に出た部分が度々凍ると、そこからスカスカになって痛んでくるため全部抜いて収穫し、
細いものを選んで、たくあん用に干しました。
軒下に干し柿と大根が並んだのを見ると本当に豊かな気持ちになります。
畑ではスペルト小麦が無事に発芽して少しづつ育っています。
鹿さん、食べに来ないでね!


 

2020年11月18日水曜日

大豆の収穫、田んぼの終い仕事(秋起こし)

11月に入り、晴れベースの安定した天気が続いています。

少し前までは、毎朝霜が降りたり氷が張るほどの冷え込みが続いていましたが日中は晴れて暖かくなる日が多く、ここ数日は朝の冷え込みも緩んで日中は汗ばむほどの暖かさです。

 もう1週間ほど前になってしまいましたが、大豆の収穫をしました。

今年は例年よりも大豆の登熟が遅く、なかなか収穫のタイミングが掴めずに気を揉みました。

例年よりも1週間ほど遅い収穫作業でした。

この日は味噌や醤油の仲間を中心に強力な助っ人たちが集まってくれました。
刈り払い機で刈り倒した大豆の株を、人海戦術でひたすら束ねて縛ってハザに掛けてゆきます。
皆様のおかげで、2枚で約1反強の畑の大豆の収穫を一日で終えることが出来ました。

莢がカラカラに乾いたら脱穀機を借りてきて脱穀する予定です。
手伝ってくれた皆様、ありがとうございました!
夜は囲炉裏を囲んでシシ鍋とどぶろくの収穫祭も楽しかったです。
大豆の収穫を終えた後は、冠雪のアルプスを眺めつつ田んぼの終い仕事をしています。
脱穀した後のワラを回収して田んぼの外に持ち出して積み、代わりに一年前に積んで朽ちかけた昨年のワラを田んぼに戻します。
昨年のワラはフォークを使って地道に田んぼに振り撒いて拡げていくのですが、朽ちかけたワラは水分をたっぷり含んでいて重く、かなりの重労働です。
収穫したばかりの新しいワラを持ち出さずに細断してすぐに田んぼに撒くという方法の方が一般的なのですが、新しいワラは分解するのに時間がかかり、翌年の田植え後の稲の生育を阻害してしまうという経験を何度かしたため、最近はこのような方法をとっています。
作業中に油断していたら、田面が緩い所で軽トラがはまって動けなくなってしまうというハプニングが発生(汗)。
トラクターで引っ張って何とか脱出出来ましたが本当にヒヤヒヤしました。
昨年のワラを拡げ終わったらトラクターで秋起こしです。
例年、秋の天気が安定しなくて田んぼが乾かなかったり、時間的にワラを片付けるだけで精一杯で冬になってしまったりで、秋起こしまでたどり着くことが出来なかったのですが、今年は好天に助けられて秋起こしをすることが出来ました。
本当はもっと気温の高い10月中に済ませた方が良いらしいのですが、このところ気温が高いので良しとしましょう。
秋起こしをすることで、田んぼに空気が入って稲株やワラの分解が進み、翌年の稲の生育が良くなったり草の勢いがおとなしくなったりすると言われているので、どんな変化があるのかとても楽しみです。
田んぼの表土の乾きもよくなって乾土効果も期待できそう。
週末金曜日には雨が降る予報なので、それまでに何とか終わらせたいです。

そうこうしているうちに1週間前に収穫した大豆の莢がはぜて実がこぼれ始めているのが気になるし、近所の渋柿も採り時で干し柿も作りたいしで、まだまだ忙しい秋が続きます。


2020年11月8日日曜日

雨降り前に、スペルト小麦の種蒔きと白毛モチの脱穀

 

時期が遅くなってしまいましたが、雨降り前にスペルト(古代)小麦の種を蒔くことが出来ました。
(本当は10月中に蒔きたかった…。)

ここは耕作放棄された休耕田を開墾したばかりの畑で、ススキやらカヤの根がゴロゴロしていてとっても作業がやり難い。

根っこがゴロゴロあると播種機でうまく蒔けないので、邪魔な根っこを取り除きながらの種蒔き作業でとても時間がかかってしまいました。

来春、残った根っこ達からススキやカヤが芽吹いてくるのも心配ですが、スペルト小麦の生命力で負けずに育ってくれることを期待したいです。


そして、最後に残っていた白毛モチの脱穀作業もしました。

白毛モチは信州在来の古い品種で、とにかく丈が長くて倒伏しやすく稲刈りも一苦労ですが、とにかく味が美味しいので種を繋ぎ続けています。

去年より収量は少なめですが、これで美味しいお餅が食べられます。


明日から大豆の収穫作業です。

収穫の秋もいよいよ大詰めです。



2020年9月10日木曜日

秋風渡る

9月に入っても暑い日が続いていましたが、先日の台風の後は急に秋風が吹き始め、今日は一日曇りや雨の涼しい天気でした。
田んぼのササニシキはあっという間に黄金色に変わり、日に日にその色を濃くしています。
8月からの好天続きで登熟が例年よりも早く、稲刈りの時期も早まりそうな予感です。
7月の長雨や除草機のかけすぎによる根傷みで、全体的に分茎はあまり良くない田んぼが多いのですが、8月以降の好天続きで穂の充実は良いような気がします。
先日九州方面を襲った台風9号と10号の二つの台風によって、遠く離れたここ信州でもかなりの風が吹きました。
この風でいくつかの田んぼで稲が倒伏してしまいました。
上の写真はササニシキ。
背が高くてもともと倒伏しやすい白毛モチはもうどうしようもないくらいに倒れています。
全体的に葉色が濃くて生育が旺盛だった部分を中心に倒れていますが、分茎少なくあまり生育が良くなかった部分も倒れているところもあり。
例年だと台風が直撃してもなびくくらいでここまで倒れることはなかったのに…。
8月以降の猛暑で稲体に対して稲穂が重くなりすぎてしまったのか、あるいは窒素が過剰になり稲体が軟弱になってしまったのか…。
例年になく倒れてしまった原因を考えあぐねています。
倒れた状態で雨が続いたり台風が来たりすると穂発芽したりとお米の品質が悪くなってしまうので、気がかりなことがまた増えてしまいました。
稲刈りまで好天が続いてくれますように!
田んぼは、そろそろ水を入れるのを止めて、稲刈りに向けて水を落とす段階になってきました。
畑の大豆は、7月の長雨で初期生育があまり良くなくて、減収となるかもと半分あきらめ気味で、このブログでもお伝えしていたのですが、8月以降の好天続きで過繁茂を心配するくらいぐいぐいと追い付いてきました。
花が咲き始めた後からの追い上げがすごかった。
繁り過ぎてしまうと実の付が悪くなることが心配になりますが、莢の中も確認しましたがちゃんと実が入っていました。
大豆の生命力の強さに感動しました。
このまま順調にいけば大豆は豊作になりそうです。
この間、田んぼの水管理をしながら稲の生育を見守りつつ、あちこちの伸びた畦草を刈りまくり、
新しく借りた休耕田が山側から常時水が湧き出ていてぬかるんでいるため、来年以降の復田に向けて近所の方から重機(バックホー)を借りてきてよけ(排水のための明渠)を掘ったりしていました。
この重機の作業、やってみると面白くて思わず夢中になってしまいました。
鎌一本の手作業で出来る自然農の世界にも魅かれる一方で、人力ではとてもできない仕事を難なくこなす機械の魅力にも魅かれてしまうんですねえ。
脱穀したままになっていたスペルト小麦(古代小麦)の籾摺り作業をしました。
一般的な小麦と違ってかたい籾に覆われているスペルト小麦です。
お米用の籾摺り機にかけるときれいな実が出てきました。
これでようやく製粉して食べることができます。
お米と混じらないように機械の掃除をするのが大変でした。
量に少し余裕がありそうなので販売もすることを考えています。
味わい深いスペルト小麦、どうぞお楽しみに。