北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2017年2月27日月曜日

自家製藁つと納豆

大豆の選別時に除けたはねだしの小粒大豆とワラで粘りの強い納豆のできあがり。
ヨーグルトメーカーで温度管理するようになってから手作り納豆が手軽で身近なものになりました。
作り方はとても簡単で、一日浸漬した大豆を圧力鍋でしっかり蒸かし、その時にワラも雑菌の殺菌のために一緒に蒸かします。
ワラに納豆菌が棲んでいるのですが、納豆菌は高温に強いため死にません。
熱湯消毒した容器にワラを囲むように敷いて、その中に蒸かした大豆を入れ、あとはヨーグルトメーカーで40℃の設定で24時間から28時間くらい保温したら出来上がり。
出来てすぐは少し匂いがきつくクセがあるのですが、冷蔵庫で3日くらい熟成させると臭いも消えてとても美味しい納豆になります。
現代版の藁つと納豆ですね。

市販の納豆の納豆菌は純粋培養されたもので、中には遺伝子操作されたものもあると聞きます。
また、買うたびにゴミが出るというのもなんとなく嫌でした。
自家産の自然栽培の大豆と天然菌の納豆が好きなだけ食べられるという贅沢。
ヨーグルトメーカーをお持ちの方、ぜひ一度お試しください。


2017年2月22日水曜日

水稲勉強会

先日、松本市波田にある自然農法国際研究センターで行われた水稲の勉強会に参加してきました。
こちらのセンターで長年自然農法での水稲栽培を研究してこられた三木さんが、研究に基づいた技術や知見を惜しみなく教えてくださいました。

テーマは「草対策」、「水管理」、「お米の品質と食味について」。
毎年、草取りに苦労し、収量も安定しないという現状のよろこぶつち農園ですが、生える草をいかに取るかではなく、草の生えにくい田んぼ、草が少々生えていても稲が草に負けない栽培を目指したい!
その理想の実現のためのヒントをたくさんいただきました。
具体的な技術的なことも大事なのですが、3つのテーマを通じて大事なことは、いかに稲に気持ちよく伸び伸びと健康に育ってもらうか、ということに焦点を当てて作業を組み立てるということ。
そうするとおのずと、草の生えにくい、生えても稲が草に負けない、そして品質の良い美味しいお米がそこそこの収量で収穫することが出来る、ということ。
そのための具体的な技術や知識を長年の研究の成果をもとにわかりやすく教えていただき、本当に勉強になりました。

以下、印象に残ったところだけ、自分の忘備録的に書きますので、ご興味のない方は読み飛ばして下さい。
草対策の肝は秋の収穫後なるべく早く田んぼを乾かし、出来れば10月下旬頃までにワラを裁断してすき込み、翌年の田植えまでにできるだけ腐熟させること。
そうすることで、稲も根をのびのびと張ることが出来、草(特にコナギ)も減ってくるということでした。
これまでは秋に細断して広げたワラを、春になって田んぼが乾いた頃にすき込んでいましたが、田植えまでにワラが腐熟し切れずに稲の生育を妨げ、草の生育を助けていた側面もあったかもしれません。
ただ、よろこぶつち農園のある長野市大岡ではこれと同じことをするのは条件的に厳しそうです。
10月下旬頃までハザ掛け天日乾燥をしており、脱穀作業を終えるとすぐに10月末から11月初旬は大豆の収穫、麦の種まきで忙しくなり、雨も定期的に降るので田んぼもなかなか乾かなくなります。
この地ではワラを全部持ち出すという方法が良いのかもしれません。
その場合でも、草の発芽率を下げるためには田んぼをなるべく乾かすことが必要で、そこが課題となりそうです。

また、水管理については、これまで草を抑える目的から初期からの深水管理を心がけていましたが、初期の深水管理は稲の分茎を抑える作用もあり、バランスを見極めることも必要ということ。
中干しについても、無肥料栽培では必要ないと、これまではやってこなかったのですが、中干しをすることで秋に早く田んぼが乾き、それがひいては翌年の草を抑えることにもつながる、という指摘に納得してしまいました。
基本的に、水管理は稲の生育に合わせた生育調整技術であるということ、水管理の大切さについて、まだまだ知らないことがたくさんあるなと痛感しました。
いづれにしても、細かい水管理をするには田んぼの均平が取れていなくてはなりません。
よろこぶつち農園の田んぼは高低差がある田んぼが多くそれをいかに平らにしていくかが課題です。
お昼には3種類のお米を食べ比べ、それぞれの食味(品質)検査の結果と合わせてお米の食味と品質についての講義。実はこれまで機器による食味検査というものを、人の味覚を機械で数値化するなんて、とあまり信用していませんでした。でも、食味(品質)検査の数値から稲の生育状態の診断ができ、改善策を考えることもできるということも目から鱗で、去年収穫したササニシキと、一昨年収穫したササニシキとそれぞれ検査をお願いすることにしました。
結果が楽しみのような怖いようなですね。

ともすれば、感覚的なところで語られることの多い自然栽培とか自然農法ですが、このように研究やデータなどに基づいた理詰めでのアプローチは少し新鮮で、説得力がありました。
三木さん、ありがとうございました。

ここで得たことを、今後の自分の田んぼ仕事にどう活かしていくか。
雪が溶けたら動き出しますよ~。







2017年2月1日水曜日

干し柿の販売始めました。


自家製の干し柿の販売を始めました。
柿は、借りている畑の土手に生えているなりっぱなしの木。
自然栽培、というよりはほったらかしの放任栽培で、もちろん農薬・肥料は使っていません。
去年
秋に収穫した渋柿を皮をむいて軒先に吊るすこと、約2か月弱。
その間、渋が抜けて柔らかくなるように時々手でもんであげます。
吊るした時期が遅かったため、時間がかかってしまいましたが、じっくりとお日さまと冬の冷たい風に当って美味しい干し柿になってくれました。
この間、味見と称して食べる人がいるため、どんどん数は減っていきます。
我が家の冬の間の大事なおやつです。
乾燥具合にばらつきがあるため、良さそうなものから乾きすぎないように順次取り込んで紙袋に入れて熟成させます。
市販の干し柿に一般的に施されている硫黄燻蒸処理をしていないため、見た目は黒ずんでいますが、しっとり柔らかく、口に広がる自然な甘みは上品な和菓子のようでもあります。
(白い粉はあまり吹いていません。)

1袋6個入り(約280g)/500円
脱酸素剤入りパックでお届けします。
 
お日さまと風の力がギュッと詰まった自然なままの美味しい干し柿をぜひご賞味ください。
ウェブショップよりお求めいただけます。
http://yorokobutsuchi.cart.fc2.com/ca3/31/p-r3-s/

追記
その後、順次乾燥が進み、先にパッキングしたものよりも多少しっかりしていますが、白い粉も吹いていて味わいも濃厚なタイプのものも出来上がりました。