先日、松本市波田にある自然農法国際研究センターで行われた水稲の勉強会に参加してきました。
こちらのセンターで長年自然農法での水稲栽培を研究してこられた三木さんが、研究に基づいた技術や知見を惜しみなく教えてくださいました。
テーマは「草対策」、「水管理」、「お米の品質と食味について」。
毎年、草取りに苦労し、収量も安定しないという現状のよろこぶつち農園ですが、生える草をいかに取るかではなく、草の生えにくい田んぼ、草が少々生えていても稲が草に負けない栽培を目指したい!
その理想の実現のためのヒントをたくさんいただきました。
具体的な技術的なことも大事なのですが、3つのテーマを通じて大事なことは、いかに稲に気持ちよく伸び伸びと健康に育ってもらうか、ということに焦点を当てて作業を組み立てるということ。
そうするとおのずと、草の生えにくい、生えても稲が草に負けない、そして品質の良い美味しいお米がそこそこの収量で収穫することが出来る、ということ。
そのための具体的な技術や知識を長年の研究の成果をもとにわかりやすく教えていただき、本当に勉強になりました。
以下、印象に残ったところだけ、自分の忘備録的に書きますので、ご興味のない方は読み飛ばして下さい。
草対策の肝は秋の収穫後なるべく早く田んぼを乾かし、出来れば10月下旬頃までにワラを裁断してすき込み、翌年の田植えまでにできるだけ腐熟させること。
そうすることで、稲も根をのびのびと張ることが出来、草(特にコナギ)も減ってくるということでした。
これまでは秋に細断して広げたワラを、春になって田んぼが乾いた頃にすき込んでいましたが、田植えまでにワラが腐熟し切れずに稲の生育を妨げ、草の生育を助けていた側面もあったかもしれません。
ただ、よろこぶつち農園のある長野市大岡ではこれと同じことをするのは条件的に厳しそうです。
10月下旬頃までハザ掛け天日乾燥をしており、脱穀作業を終えるとすぐに10月末から11月初旬は大豆の収穫、麦の種まきで忙しくなり、雨も定期的に降るので田んぼもなかなか乾かなくなります。
この地ではワラを全部持ち出すという方法が良いのかもしれません。
その場合でも、草の発芽率を下げるためには田んぼをなるべく乾かすことが必要で、そこが課題となりそうです。
また、水管理については、これまで草を抑える目的から初期からの深水管理を心がけていましたが、初期の深水管理は稲の分茎を抑える作用もあり、バランスを見極めることも必要ということ。
中干しについても、無肥料栽培では必要ないと、これまではやってこなかったのですが、中干しをすることで秋に早く田んぼが乾き、それがひいては翌年の草を抑えることにもつながる、という指摘に納得してしまいました。
基本的に、水管理は稲の生育に合わせた生育調整技術であるということ、水管理の大切さについて、まだまだ知らないことがたくさんあるなと痛感しました。
いづれにしても、細かい水管理をするには田んぼの均平が取れていなくてはなりません。
よろこぶつち農園の田んぼは高低差がある田んぼが多くそれをいかに平らにしていくかが課題です。
お昼には3種類のお米を食べ比べ、それぞれの食味(品質)検査の結果と合わせてお米の食味と品質についての講義。実はこれまで機器による食味検査というものを、人の味覚を機械で数値化するなんて、とあまり信用していませんでした。でも、食味(品質)検査の数値から稲の生育状態の診断ができ、改善策を考えることもできるということも目から鱗で、去年収穫したササニシキと、一昨年収穫したササニシキとそれぞれ検査をお願いすることにしました。
結果が楽しみのような怖いようなですね。
ともすれば、感覚的なところで語られることの多い自然栽培とか自然農法ですが、このように研究やデータなどに基づいた理詰めでのアプローチは少し新鮮で、説得力がありました。
三木さん、ありがとうございました。
ここで得たことを、今後の自分の田んぼ仕事にどう活かしていくか。
雪が溶けたら動き出しますよ~。
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