北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2018年6月20日水曜日

田んぼの除草シーズン到来

田植え終了から約2週間経ちました。
またまたしばらく投稿が空いてしまったので、まとめて報告です。
田植えが終わってまず初めにやる作業は補植です。
田んぼの中を歩いて、田植え機がうまく植えられずに欠株になってしまったところに苗を植えていきます。
10枚の田んぼを全部見て回るのはけっこう時間がかかるのですが、この日はロシア、フィンランド、フランス、タイ、など国際色豊かなボランティアの方たちに手伝っていただいて、とてもはかどりました。
やっぱり農業は人数がいると違いますね。
いろんな国の方たちと交流することが出来たのも楽しかったです。
皆様ありがとうございました。
それにしても来年はもう少し欠株が少なくなるように植えたいものです。
田植え機の問題?それとも苗の問題?
そして田植え後さっそく草が出始めたので、苗が活着したころ(田植え後1週間)を見計らって除草作業開始です。
昨年から導入した除草機ワドー号、ジブリの映画に出てきそうな外見です。
稲の苗の両側を横方向にスクリューが回って一度に4条除草してくれます。
草が小さいうちにタイミング良く作業できればという前提条件が付きますが、株間の草も取ってくれるという優れもの。
今年から4条植えの田植え機を導入したのもこの除草機に合わせるためというのが主な目的でした。
もうチェーン除草機や手押しの田車には戻れません(笑)。
回転する除草スクリューの調整を苗ギリギリまで寄せれば草はよく取れますが、苗まで抜けてしまうこともあり、かと言って寄せ方が甘いと草が残ってしまうし、意外と調整が難しいです。
除草機をかけると大量のコナギが浮いてきました。
2~3回代かきをして草の数を減らしているはずなのですが、その効果があるのかどうか怪しいですね…。
コナギの生命力はすごいです。
草の生えない田んぼを目指しているのですが、道のりはまだまだ遠いです。
次に生えてくる草や残った草があるので、1週間後を目安に再び除草機をかけ、それを何度か繰り返す予定。
10枚の田んぼを順番に除草機をかけ、現在2巡目です。
苗は葉色を濃くして分茎を始め、ゆっくりとですが成長しています。
去年はタイミングよく作業が出来ずに、残った草が大きくなってしまいかなり悩まされたので、今年は草が小さいうちにタイミングよく作業したいですが、草の成長に作業が追い付くかどうか…。
しばらく田んぼの除草作業に追われる日々が続きそうです。
作業の合間に除草機のエンジンを止めると、水面に映った北アルプスと風に揺られる苗の姿に癒され、
そしてオタマジャクシやホウネンエビなどの田んぼの生き物たちにも癒されます。

これまでのところ梅雨入りしたとはいえ雨の少ない天気が続いていましたが、本日ようやく梅雨らしい本降りの雨です。
この雨でお米の苗もさらに元気になるでしょう。
田んぼの除草の合間を見て大豆の種まきもしたいし、土手草も刈らなくちゃ~。

2018年6月7日木曜日

田植え終わりました!

怒涛の田植え週間が終わりました。
余りの忙しさになかなかブログを更新する余裕がありませんでしたが、まとめて報告したいと思います。
5月の中旬から水を入れて代かきをした田んぼではこのようにびっしりと田の草コナギたちが生えてきました。
無農薬の田んぼで一番悩まされる草で、毎年この草にどう対処したらよいか試行錯誤を繰り返しています。
去年から試している方法は早め(田植え前3週間~1か月前頃)に入水代かきをしてあえてこの草たちを生やすこと。
そして田植え前にたっぷり水で再びトラクターで代かきをしてこの草たちを浮かせます。
恐ろしいほどのおびただしい数のコナギです。
浮いたコナギたちを排水口を開けて出来るだけ流してしまいます。
自然栽培で言う「肥毒」も一緒に流すという考えも取り入れています。
こうすることでその後生える草をある程度は減らすことが出来るはず…。
去年試した感じでは、まあそれでもコナギの生命力は強く、やっぱりしっかり生えてくるのですが、稲が草に負けにくいような気がしました。
でも浮かせたコナギたち、どうしても全部は流れ切らずに残ってしまうので、水を落とした状態で再び代かきをして泥の中に練り込んでしまいます。
これが最後の仕上げの植え代かきになります。
この時、トラクターのロータリーだけだと、どうしても両側から泥が逃げてしまい平らになりません。
そこで出来るだけ平らになるようにロータリーの後ろに角材を引っ張りながら代かきをします。
ドライブハロー(トラクターの代かき用アタッチメント)があればもっと効率よくきれいに出来るのですが、この角材方式でも意外ときれいに仕上がります。
でもやっぱりドライブハロー欲しいな…。
今の手持ちのトラクターはロータリーが固定されていて脱着できないので、ドライブハローをつけるためにはトラクターも買い替えなくてはならないのです…(涙)。
今年は比較的苗がうまく育ちました。
目標の4~4.5葉、草丈15㎝以上にまで育ち、いつでもスタンバイOKです。
色は少しさめてきて黄色くなり始めてきていますのでできるだけ早めに植えなくてはなりません。
植え代かきから中1日から2日置いて泥が落ち着くのを待ってようやく田植えです。
あまりすぐだと泥が柔らかすぎて苗がうまく植わらないし、それ以上日にちを空けると、草の方が先に芽を出し始めてしまうので、タイミングはシビアです。
ちなみに今年から念願の4条植えの条用田植え機を導入しました。
古い型の中古品ですが、去年までの歩行型の2条植えの田植え機に比べると効率は良いし、乗用なので体も楽です。
アルプスを眺めながら気持ちよく田植えをすることが出来ました。
新しく増やした田んぼも含めて、10枚の田んぼ(約7反強)の田植え、何とか終わりました。
植えたばかりの苗はとても頼りなく見えますが、これから逞しく育ちます(のはずです…)。
ホッと一息つきたいところですが、これから機械がうまく植えられなかった欠株を見て回って植える補植、そしてその後は除草が始まります。

この時期、家の周りではハチクのタケノコが盛んに出ています。
ハチクは採りたてはあまりアクが無くて気軽に食べられるのが良いところ。
晩御飯はタケノコと鹿肉入りのカレーにしてみました。
どちらも山の恵みですね。
田植えで疲れた体に久しぶりにスパイシーなカレーが美味しかったです。
若い頃に行ったインド、ネパールを懐かしく思い出しました。
ここ、信州大岡の風景はヒマラヤの山々に抱かれたネパールの山里の風景を思い起こさせます。

2018年5月26日土曜日

醤油搾り、修学旅行生の受け入れ

田植えの準備に忙しい農繁期ですが、先日合間をぬって醤油搾りをしました。
昨年の春に自家産の大豆と小麦から醤油麹を起こして「もろみ」に仕込んだものです。
https://yorokobutsuchi.blogspot.jp/2017/04/blog-post_21.html
醤油搾りには専用の道具と経験が必要で、近所に住む搾り師さんに来て搾っていただきました。
作った麹を分けて一緒にもろみを仕込んだ醤油仲間と搾りました。
一年寝かせたもろみにお湯を加えてちょうど良い濃さにしてから、木で作られた「フネ」で搾ります。
琥珀色の搾りたての醤油が出てきました!
味見してみると何とも言えない香りとうまみです。
この後、1週間ほど静置してオリ引きしてから瓶詰めして完成です。
自家産の材料で醤油が自給できるというのは幸せなことです。

嬉しい反面、課題も判明。
同じ醤油麹から仕込んだのに、一緒に仕込んだ仲間の醤油に比べると自分の醤油は塩味が立っていて旨味香りに少し欠けるのです。
心当たりはあって、夏の温度不足と天地返し不足です。
従来、醤油もろみは蔵の中など温度のなるべく上がらない所に保管して毎日混ぜるというのが一般的な方法でしたが、私たちは今回来ていただいた搾り師さんの方法、なるべく温度をかけて発酵を促し、毎日混ぜるのではなく月に一回ほど天地返しをするという方法でやっています。
温度をかけるには日向に置くだけではなく、小型のビニールハウスなどで覆って積極的に温度をかける方が発酵が進み良いもろみになるのですが、忙しさにかまけてそこまでできず日向に置くだけになってしまったこと、天地返しも忙しい時はついついまめに出来なかったなあと反省。
手を抜いた分、しっかりと結果に出てしまいました。
それも含めてマイ醤油、しっかり味わいたいと思います。

農繁期ですが、同時並行で修学旅行生の体験宿泊の受け入れもやっております。
主に大阪方面の中学校が多いのですが、都会の子供たちが我が家に来て信州の山里での自給的な暮らしを体験していきます。
畑仕事をしたり、一緒に山菜を取りに行ったり。
薪割りをしたり、
お風呂は薪風呂を沸かしたり、
夜は囲炉裏でシカ肉のバーベキューをしたりします。
冬に近所の山で獲れたシカ肉を冷凍しておいたものを放出です。
https://yorokobutsuchi.blogspot.jp/2018/02/blog-post.html
目の前で激しい肉の争奪戦が繰り広げられます。
でも、何よりお米がとても美味しいと何杯もおかわりしてくれるのがお米農家としては嬉しいです。
都会で暮らす子供たちが、こんな暮らしもあるんだなと何か感じてくれたらいいですね。
こちらも子供たちから元気をもらっています。
ササニシキの苗は今のところ順調で、3~4葉くらいになりました。
もう一息大きくなってほしいところ…。
あと1週間ほどでいよいよ田植えです。
代かき、畦草刈り、動物よけの電気柵の設置などなど、準備を急がなくては…。


2018年5月15日火曜日

代かき、田植えの準備進めてます。

いよいよ田んぼに水を入れて代かき作業をしています。
春先は田起こしも含めて田んぼをなるべく乾かすことを意識してきましたが、一転、一気に水の世界になりました。
途端にカエルが嬉しそうに鳴きはじめています。
10枚の田んぼを順番に畦草を刈り、水を入れながら作業をしています。
白いアルプスを眺めながらの作業は本当に気持ち良いです。
が、タイミング良く一気に作業を進めたいのでかなりタイトな作業スケジュール。
効率よく作業を進めるためにはやはりドライブハロー(トラクターの代かき用アタッチメント)が欲しくなってしまいます。
また、代かき前に田んぼの高低差を直す作業をもっとしておきたかったのですが、時間切れであまりできず、来年への宿題となりました。

代かきをしただけでは水が抜けてしまう田んぼが多いので、畦際に市販の畔波シートを敷設しています。
市販の畔波シートは数年で劣化してダメになってしまうことが多く、本来は畦塗り(泥の壁を作って水漏れを防ぐ)をするのが良いのですが、田んぼが広くなってきて昔の人のようにクワ一本ではとてもできませんし、かと言って畦塗り機を導入するのもとてもお金がかかるし…。

代かきと並行して畦草も刈っています。
つい先日、念願のスパイダーモアを手に入れました。
中山間地の当地はとにかく畦や土手が広いので刈り払い機で全部刈っていると、体にとても負担がかかっていました。
作業のスピードはあまり早いとは言えませんが、体はずっと楽になりそうです。
でも燃料の減るのがとても早くてびっくり。
燃料代はかかりそうだなあ。
苗はかなりばらつきはあるのが課題ですが、今のところ順調に育っています。
平均で2.5葉くらいでしょうか。
ただ、苗代の低くなってしまった所は初期に水分過多になってしまい生育があまり良くありません。
苗代はとにかく平らにすることが大事ということを改めて実感。
田植えは6月初旬の予定ですが、それまでに4.5葉くらいまで育って欲しいのですが、毎年その前に黄色くなって生育が止まってしまうことが多く、今年はどうなるかな…。

2018年5月2日水曜日

床伏せ、そして発芽しました!

先日種籾を蒔いた苗箱を田んぼに作った苗代に並べる作業「床伏せ」です。
並べた苗箱の上にコンパネを置いてその上に乗りつつ、並べてはずらしながら順番に並べてきます。
足元がぬかるむ中を苗箱を持って何回も行ったり来たり。
危うく足をとられてひっくり返りそうになったこともありましたが、なんとか持ちこたえました…フウ。
230枚並べ終わりました。
最後に保温と保湿のために不織布とシルバーポリをかぶせて完了です。
無事に元気に発芽しますように、と思っていたら…。
床伏せから3日後の今日、ツンツンと発芽していました!
気温が高い日が続いていたので早かったです。
新しい命の始まりの嬉しい瞬間です。
まだ完全には発芽が揃っていませんが、とりあえずは一安心です。
シルバーポリをかけたままだともやしになってしまうので慌ててはがし、不織布のトンネルにしました。
去年苗代にネズミに侵入されて荒らされるということがあったので、周りを畔波で囲いました。
無事に元気で良い苗に育ちますように。
自家用野菜の畑はついつい後回しになりがち。
ようやくジャガイモを植えました。
去年収穫した芋で使い難い小さめの芋を種イモとして使っています。
自然栽培のジャガイモは収量は少ないのですが本当に美味しいのです。

雨の前に他にもいろいろ野菜の種蒔きをしたかったけれど間に合いませんでした。
本田の準備も進めたいし、このところの暖かさで草もあちこち伸びてきて刈らなきゃいけないし、この時期はやることいっぱいです。
いよいよ農繁期に突入ですね。

2018年4月27日金曜日

春爛漫の山里、お米の種蒔き

山々が芽吹きのもえぎ色に染まる美しい季節になりました。
信州の山里も春爛漫です。
色とりどりの花も春を謳歌しているよう。
山吹の花があちこちで咲いています。
山菜・野草が美味しい季節です。
嬉しい山の恵み「タラの芽」、てんぷらが定番ですが刻んで炒め物にすると爽やかな風味がなんとも言えず美味しいです。
その他、山ウド、こごみ、アサツキなどなど。
定期的に雨が降るお蔭でシイタケもにょきにょき出てきました。
この時期は野菜が何も穫れないのですが、野山の恵みが豊かで嬉しいです。

そんな春の陽気の中、お米の種蒔きをやっております。
10日ほど水に漬けていた種籾を少し温度をかけますとプチっと芽がはじけてきました。
それを手回しの播種機で播いていきます。
ポット式の苗箱で、一穴に2~4粒ずつ播いてくれます。
でも、5~6粒入っていたり、逆に1粒しか入っていなかったりすることもあり、なかなかうまくいきません…。
多すぎると混みあって良い苗に育たないのでざっと手作業で調整してから覆土します。
これがけっこう時間がかかってしまう原因で、何とかならないかな。
見ないふりをしようかな。
苗箱の土は近所の山土をふるったものに自作の籾殻燻炭を混ぜて使っています。
土も買ってくれば楽ですが、なるべく身近なもので賄いたいものです。

本日、ササニシキ7反分220枚を播き終わりました。
あとはもち米を10枚ほど播いたら終了です。
苗代も平らに均して準備完了。
明日にはここに種を蒔き終わった苗箱を並べる「伏せ込み」をします。
猫さん、歩いて足跡をつけないで下さいよ。




2018年4月12日木曜日

田起こし、種籾の塩水選と温湯消毒。

今年は春の訪れが早く、ここ信州の山里も例年よりも2週間近く早く4月の初旬に桜が咲きました。
でもその後は寒の戻りで寒い日が多くて春が足踏み、おかげで長く桜の花を楽しむことができています。
山肌にところどころに淡いピンクの桜が咲く春の風景は本当に美しいです。

田んぼでは、まだ終わっていなかった藁の片付けを助っ人の力も借りてようやく終わらせ、
トラクターで田起こしを始めました。
このところ雨が少なかっため良い感じで田面が乾いています。
「田起こし」って良い言葉ですね。
冬の間眠っていた田んぼを春になってまさに起こすような気持ちで作業しています。
例年作っている田んぼは一気に終わらせましたが、今年から新しく借りる田んぼはまだこれからです。
そして本日、いよいよ種蒔きに向けて種籾の準備をしました。
まず、去年の秋に種採りしておいた籾を準備します。
品種はササニシキと白毛モチです。
そのままではノギやヒゲが残っていてその後の塩水選や種蒔きの作業に支障が出るため、餅つき機を使ってノギ取りをします。
そして塩水選。
濃い塩水を作って種籾を入れ、浮いた籾(軽くて充実していない)を取り除いて、沈んだ籾(重くて充実している)と選別します。
けっこう大量の塩を使います。
次に温湯消毒。
あらかじめ60℃に沸かしておいたお風呂に塩水選した種籾をザブンと入れます。
人間が入るにはかなり熱いです。
きっちり時間をはかって7分間、湯から上げたらすぐに冷たい水で冷やします。
これで薬剤を使わずに、種籾由来のいもち病やばか苗病などの病気をかなり防ぐことが出来るようです。
ただし、温度と時間はかなりシビアで、足りないと効果は半減してしまい、逆に多いと発芽率が悪くなってしまうため、温度計と時計とにらめっこで真剣勝負です。
また、塩水選から温湯消毒まで手早く作業をしないと種籾が煮えてしまって発芽率が悪くなるらしく、段取りよく一気に作業をしなくてはなりません。
今年は6年目にして初めて塩水選用の取っ手付きのざると容器をそろえ、作業が楽になりました。
なんで今まで使わなかったんだろう?

温湯消毒を終えるとそのまま種蒔きまで約10日間、水に浸漬しておきます。
今年も元気なお米が育ちますように。
いよいよ忙しくなってきました。