北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2017年6月28日水曜日

小麦の収穫と大豆の種まき

畑では南部小麦がまさに小麦色に色付き、収穫期を迎えました。
秋に種まきをした後ほとんど何もせずほったらかしでにここまで育ってくれました。
梅雨の晴れ間と田んぼの除草の合間をぬって収穫です。
小麦畑は今年は合わせて7~8畝ほどで、基本的に自給用で販売するほどは作付していないのですが、とても味わい深い小麦が穫れます。
できれば面積を増やして多くの方に味わっていただけたらと思ってはいるのですが、収穫時期が田んぼの除草や大豆の種まき時期と重なってしまったりで、兼ね合いでなかなかできないでいます。
無肥料で栽培しているのですが、今年は去年よりも全体に穂が小さく、収量はさらに少なくなりそうな気配です(涙)。
そのあたりも今後の課題です。
久しぶりにバインダーを引っ張り出していざ収穫です。
始めは調子よく刈っていたのですが、小麦の生育がいまいちな部分は足元の草が伸びていて、バインダーがうまく刈ったり束ねたりできなくなってしまいます。
そんなこんなでトラブルが多くてすっかり時間がかかってしまいました。
小麦の収穫をする前に条間の草刈りをしたほうが良かったかも…。
まだ全体に小麦の粒が柔らかいためすぐには脱穀せずにお米と同じようにハザに架けて乾燥させます。
こうすることで追熟も期待できますし、美味しい小麦になると思っているのですが、この時期はちょうど梅雨で雨に長く当たるとかびたり穂発芽してしまうことも…。
とりあえずハザ掛けシートをかぶせて雨が直接当たらないようにしました。
慣行農法ではちょうど良いタイミングを狙ってコンバインで一気に刈って乾燥機で乾燥させるのが一般的ですが、そうでもしないととても広い面積の栽培は出来ないですね。
小麦は栽培にはほとんど手がかかりませんが、収穫時が梅雨と重なることもあって何かと大変です。
この後、粒がしっかり乾いた頃に脱穀となります。
収穫した小麦は小麦粉に挽いて様々な用途に使うのはもちろん、手作り醤油の原料にもなります。
それから今年こそは乾麺加工に出したいな。

小麦を収穫した後、すぐにトラクターで耕してきれいに均し、手押しの播種機を押して大豆の種を蒔きます。
梅雨の晴れ間で気温も上がり、汗が噴き出てきます。
借りている畑の面積が限られていることもあって、全部ではありませんが麦と大豆の連続栽培を試みています。
麦と大豆は相性が良い組み合わせですし、限られた畑を有効活用できるのは良いのですが、ちょうど良いタイミングで小麦収穫→耕耘→大豆播種と作業を一気にこなさなければならず、天気次第ではタイミングを逃してしまうリスクがあること、時間的に余裕がないので広い面積は出来ないことが難点です。
品種はこの辺りで昔から栽培されているナカセンナリで、もう7年ほど種採りを繰り返して繋いできたもの。
無肥料無農薬なのでとても甘みの濃い美味しい大豆になります。
毎年手前味噌作りの材料として多くのお客様に大変好評をいただいています。
また、手作り醤油の原料、納豆や豆腐作りにも活躍します。
小麦畑が大豆畑に早変わり。
今年は少しは早めに蒔いた麦大豆連続栽培以外の畑の分も合わせて全部で1反8畝ほどの大豆の作付になりそうです。
なんとか6月中に蒔き終わることが出来ました。
夜には本降りの雨が降りだしました。
何とか間に合って一安心です。
写真にはありませんが、発芽したての芽をハトが食べに来るので翌日に鳥よけのキラキラテープを全面に張りました。
こちらの動画は岩手県の昭和初期の頃の農業の様子を再現した映像です。
この動画でも出てくるのですが、麦と大豆の連続栽培は昔から行われていたようですね。
ただし昔は、麦の収穫前のまだ麦が生えている状態で条間にクワでさくって大豆の種を蒔いたそうです。
麦を刈ると既に発芽してある程度育った大豆が姿を現すのです。
その方が時期も遅くならないし、麦に隠れて大豆が発芽するのでハトにも狙われないし、とても理にかなっていますね。
小麦を刈り終わってからトラクターで耕して大豆を播こうとするとどうしても時期的にギリギリになってしまいます。
でも、ひたすらクワでさくる訳ですから体力は要るし人手があるからできたことなのでしょうね。
この動画はその他にも一年を通しての農作業の様子が紹介されているのですが、とても素晴らしい内容でおすすめです。
機械や農薬肥料などが登場する前の農作業の様子、道具なども興味深いのですが、農民の一つ一つの所作がとても美しく、農業とは本来芸術、農芸であると改めて思わされました。
日本人のほとんどが農民だったほんの一昔前、私たちの祖先はこうして生きてきたんだということがよく分かる動画です。

小麦と大豆仕事にかまけている間に田んぼの草(コナギたち)がまた大きくなってきてしまいました。
明日からは再び田んぼの除草の日々になりそうです。




2017年6月21日水曜日

田んぼの除草とホウネンエビ

季節は夏至、このところの暑さで稲たちも活着して緑が濃くなり少しづつですが伸び始めています。
そして草たちもたくさん顔を出し順調に成長を始めています(汗)。
田植えが終わってホッとする間もなく、さあ田んぼの除草のシーズンです。
今年は強力な助っ人、株間も除草してくれる4条押しの除草機を導入しました。
しかも新品!
他の機械はほとんど中古品なので、新品の機械というのは本当に新鮮です。
安い買い物ではありませんでしたが、毎年除草に膨大な時間と労力を費やしているので、今後のことも考えて思い切って購入することにしました。
本当は草の生えない田んぼを目指しているのですが、なかなかその境地に到達できていません。
今年もしっかりコナギが生えてきています。
この除草機、株の両側にあるスクリューが横に回転して株間の草も取ってくれるというスグレもの。
稲や草の生育に合わせてこのスクリューの寄せ幅と深さを調整できるのですが、やってみるとその調整具合で草の取れ方がかなり違ってくるようです。
基本的にはスクリューをできるだけ株に寄せて、深くすれば草は取れるのですが、やり過ぎると稲の株を傷めたり、土を寄せ上げ過ぎてしまい稲の株が埋まりかけたりしてしまいます。
やりながらベストな調整具合を探っている所ですが、除草機をかけてすぐは水が濁っているために状況がよく分からず、すぐに対処できないというのが困ったもんです。
それと、植えるのは2条の田植え機で植えているので4条の除草機と条間が微妙に合っていないというのも困った点。
植える時は田植え機の車輪の後を重ねながら歩くように気を付けていたのですが、それでは合わせ目が狭かったようです。
苗をひっかけないようにかなり気を使いながらの作業です。
こうなると4条植えの田植え機が欲しくなってしまいますね。
なんだか機械のために働いているような気がしてきました…。
4条の除草機では半端になってしまう部分はこれまでどおり手押しの除草機を押します。
株間の草は取れないので別の方法で取らないといけませんが・・・。
今まではこの株間の草を取るのにとても苦労してきたので、これをやらなくても良いとなればかなり楽になるはず…。
そうなるよう除草機を使いこなしたいものです。
こちらは一番初めに植えたもち米の白毛モチ。
草も抑えられて気持ちよさそうです。
田んぼには様々の生き物たちがいるのですが、今まであまり見かけなかったもので今年とても良く見かけるのが写真のホウネンエビ。
写真では分かり難いかもしれませんが、半透明の胴体に緑色の藻のようなひれがひらひらと動いていて、小さな黒い目がとてもかわいいです。
昔の言い伝えでホウネンエビが出る年は豊作だと言われているらしいのも嬉しいですね。
今年は期待できるかな?
さて引き続き除草作業がんばります。
合間を見て大豆の種まきや小麦の収穫も待っています。

2017年6月13日火曜日

田植え終了しました~。

久しぶりの投稿になってしまいました。このところ田植えで忙しく、夜は疲れてバタンと寝てしまい、ブログを更新できませんでした。
本日、ようやく最後の田んぼ(苗代にしていた田んぼ)の田植えが終わったのでまとめて報告です。
今年は、少し早めに水を入れて代かきをして草を生やし、田植え前にもう一度代かきをして生えた草を浮かせて流すという方法を試してみることにしました。
遡ること約2週間、1回目の代かきをしてから10日から2週間でこのようにコナギたちが生えてきました。
たっぷり水を入れて再び代かきをします。
大量のコナギたちが浮いてきました。
浮いてきたコナギたちを数日置いて排水口から流します。
こうすることで自然栽培で言う所の「肥毒」が流れることも期待しています。
流れ切らないコナギたちは熊手などを使ってなるべく取り除きます。
この段階で植える予定だったのですが、浮かなかったたり流れなかったコナギたちもいるし、あまり田面の均平がとれていなかったため、再度、今度はひたひた水で仕上げの代かきをしました。
ドライブハローの付かないトラクターなのでロータリーで代かきをするのですが、この時角材を引っ張りながら代かきをするとわりと平らになりますね。
再び水を入れて数日置いて泥が落ち着くのを待ちます。
苗はネズミの攻撃にも耐えて何とかそこそこ良い苗に育ってくれました。
良かった良かったと思いきやまたまた異変に気が付きました。
茶色い斑点がぽつぽつと、中には枯れている葉も…。
まさかのいもち病です。
一部ではなく、全体的に出ています。
こんなに早い段階で出るとはかなりのショックです(涙)。
一難去ってまた一難。
葉色は全体的に淡いので窒素過多ということはないと思いますが、思い当たることとしては、元肥として苗床にあらかじめ撒いた米ぬかに、一昨年にいもち病が出た時のお米由来の米ぬかや籾殻が混ざっていたことが原因かもしれません。
我が家は自家用米は一昨年の古米を食べていたり、犬にはくず米をあげたりしているのですが、その際出た米ぬかも一緒にしていたので…。
反省することしきりです。
かと言って農薬をまくわけにもいかず…。
風通しの良い広い田んぼに植えてあげれば良くなる、稲の自然治癒力を信じて、植えるしかありません。
というわけで気持ちが下がり気味な中、祈るような気持ちで田植えを始めました。
田植え後に除草機を入れることを考えて条間がなるべくそろうよう気を使いながら植えていきます。
そのため、田植え機が走った跡が分りやすいようにかなり水を落として植えています。
植えながら次に植える田んぼの仕上げの代かきをしながらの同時並行作業です。
植えたらすぐにまた水を入れます。
植えたばかりの苗たちはなんとも心もとないですが、狭い苗代から広い田んぼに移されて、風に吹かれてなびいている様子が気持ちよさそうです。
何とかいもち病に負けずに健やかに育ってくれよ~。
今年はなぜか機械がうまく植えられない欠株がとても多く、植えた後の補植作業にかなり手間取りました。
最近は学校が忙しくあまり手伝ってくれなくなった息子がこの日は手伝ってくれました。
補植作業をしていると既に次のコナギたちがたくさん顔を出し始めていて恐ろしいのですが、その他たくさんの水の生き物たちに出会えれるのはうれしいことです。

そして本日、9枚全ての田んぼの田植えと補植作業も終えて晴れて終了です~。
ホッとする間もなく、除草作業が待っています。
田んぼにかかりきりになっている間にあちこち伸びた草刈りもせねば…。
梅雨入りしたとはいえさわやかな青空のもと、植えたばかりの田んぼの水面の向こうに映える北アルプスが美しいです。