北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2020年6月13日土曜日

田んぼの除草とホウネンエビ

いよいよ梅雨入りしましたね。
それまで全然雨が降らなくて真夏のような暑さが続いていたのが一転、一昨日くらいからかなりまとまった雨が降っています。
田んぼや畑にとっては恵みの雨でした。
稲たちも畑の野菜たちも喜んでいるようです。
田植えから1週間から10日たち稲の苗たちも活着して、徐々に葉色を濃くして上へと伸び始めています。
田植えが終わってホッとする間もなく田んぼの除草作業を進めています。
写真のようなジブリの映画に出てきそうなフォルムの除草機で除草しています。
稲の苗の両側でスクリューが回って泥をかき上げながら4条一気に除草してくれます。
上手く除草するにはスクリューの寄せ具合いと深さの調整が重要で、苗を傷めない程度にできるだけギリギリまでスクリューを寄せて深めになるように調整すれば株間の草まで除草できるのですが、やり過ぎると苗が抜けたり泥で埋まってしまったりしてしまってなかなか加減が難しいです。
除草機をかけた後はわんさかと草が浮いてきます。
長期湛水複数回代かきで、わざと草を生やして代かきをすることで除草し草の種を減らしてきたはずですが、それでもこの量です。
どれだけの種があるのだろう?
草の生命力は本当にすごい。
草が出来るだけ小さいうちに早く全ての田んぼの1回目の除草作業を終えたいのですが、なかなか手間取っています。
これから7月中旬頃までひたすら田んぼの除草に明け暮れる日々が始まりました。
除草機のエンジンを止めると田んぼの中にたくさんの生き物たちがいるのが分かります。
その中でもこの時期にしか見られないお気に入りがこの「ホウネンエビ」です。
メダカくらいの大きさで、小さな黒い目と緑色のヒレみたいなものを盛んに動かして泳ぐ様がなんとも言えずにかわいいのです。
写真は去年のものですが、今年もたくさんいます。
ホウネンエビがたくさん発生した年は豊作になるという言い伝えからその名がついたそうですが、本当に縁起の良い名前です。
その名のとおり豊作になりますように。

麦畑では大麦の穂が黄金色に輝き収穫期が近づいてきました。
この風景、梅雨時ですが「麦秋」と呼ばれています。
この雨であちこちの草たちもぐんぐんと伸びそうです。
田んぼの中だけでなく外の草刈りもしなくちゃなあ。
この時期は草たちの生命力に圧倒されそうです。
これは梅雨入り前の夕暮れの風景。
日暮れ近くまで作業しているとこんな美しい風景に出会えます。

2020年6月8日月曜日

田植えが無事に終わりました。

先日、田植えが無事に終わりました!
全部で10枚の田んぼを補植も含めてやり切り、少しだけ一息ついているところです。
田植えの3~4日前に順次最後の代かきをし、
大量に浮いてきた草を、風で良い感じで畦際に吹き寄せられてきたので熊手で一網打尽。
これで田植え後の草取りが楽になると良いのですが…。
苗も最終的に良い感じで育ってくれました。
ただし、今年は一部(全体の1/3くらい)生育が良くなかった部分に関して有機肥料(有機JAS対応の液肥)を追肥として使いました。
苗が小さいままでは田植え後水没してしまう恐れもあり、その後の生育や草との競合でも厳しい状況になってしまうため、やむを得ず今回は使う判断をしました。
育苗は狭い場所で密集して育てるため、完全無肥料ではなかなか難しく、例年は田んぼで穫れたお米から出る米ぬかを苗代に肥料分として補い、自然栽培の田んぼの中で循環する範囲の中での方法を目指しているのですが、今回はそこから外れてしまうことになりました。
上手く育った部分との比較から、原因は何となく分かっていて、苗代にしている小さな田んぼのオフシーズンである夏から冬にかけての管理の改善、排水をしっかりして乾かしておくことで少量の米ぬかのみでしっかりとした苗を育てることが出来るはず。
今後は対策をしっかりして良い苗を育てたいと思います。
代かき後3~4日して泥が落ち着き、水位もちょうどよく下がってきたところでいよいよ田植えです。
代かき後できるだけ早く植えた方が草との競合という点では有利なのですが、あまり早いと田面が柔らかすぎて苗が機械で上手く植わらないし、加減が難しいです。
後で除草機で除草しやすいようになるべく真っ直ぐ曲がらないように気を付けて植えます。
今まで密集して育ってきた苗たちを広い田んぼに放していきます。
今年はかなりがんばって田植え機を中古ではありますが新しいものに買い替えたのですが、去年まで使っていた古い田植え機に比べると植え付けミスも少なく快調です。
これまで機械はとにかく動けば安い方が助かるということで、古い中古品をヤフオクなどで買うことが多かったのですが、やっぱり多少高くても大事に使って元を取るという発想で、比較的新しくて程度が良いものを買った方が良いということにようやく最近気が付きました。
さすがに新品は無理だけど・・・。
植え終わった苗たちはまだまだ弱々しく見えますが、これから広い田んぼでのびのびと健やかに育ってくれると思います。
既に足元では草たちが芽を出し始めていて、ホッとする間もなくこれから除草の季節が始まります。
泥だらけになったトラクターと田植え機をきれいに洗車して納屋にしまい、今度は除草機を出してきてオイル交換など整備をしなくては…。
怒涛の農繁期はまだまだ続きます。



2020年5月26日火曜日

田植えの準備進めてます。

先週は寒い日が続いたため、お米の苗の生育が遅れてしまいましたが、その後天気が回復して苗の生育もようやく盛り返してきました。
6月初旬に予定している田植えに何とか間に合うかな?
でも、写真の奥の方、部分的に苗代の1/3~1/4くらいがなかなか盛り返して来ないので気を揉んでいます。
少し田植えを遅らせた方が良いのかな…、対処療法的には追肥した方が良いのだろうけど…。
本田では代かきをして水を張った状態なのですが、かなり草が生えてきました。
このままにしておくと田植えまでに大きくなりすぎてしまい、田植え前に代かき(植え代)をしても生き残って再活着してしまう恐れがあるため、中間で一度草を浮かせる目的で代かき(中代)をしました。
ものすごい数の草たちが浮いてきました。
コナギ、マツバイ、イヌホタルイ、オモダカなどでしょうか、草の生命力はすごいです。
これで草の絶対数が減って田植え後の除草が楽になるはず。
同時に田んぼの畦や土手の草刈りも進めています。
当地は中山間地の棚田地帯のためとにかく畦や土手が広いし、傾斜がきつい!
この草刈りがとても重労働なのですが、写真の斜面も刈れる畦草刈り機(スパイダーモア)のお蔭でずいぶんと楽になりました。
もう手放せません(笑)。
田植えまでもう一息がんばります。
麦畑では南部小麦の穂が出て白い花が楚々と咲いています。
植物のそれぞれの生を健気に生き切る姿は本当に美しいなあと思います。




2020年5月10日日曜日

代かき真最中です。

数日前からいよいよ田んぼに水を入れて代かき作業を始めてます。
一度代かきしてから、高低差のある田んぼはトラクターで泥を引っ張って修正しつつ、水の抜ける田んぼ(ほとんどそうなのですが)は再度代かきしたり。
陸の世界から一気に水の世界へと入れ替わります。
さっそくカエルが嬉しそうに鳴きはじめました。
田植えまでの20日間ほど湛水しておきます。
その間に生えてきた草を再度代かきをして除草することで、田植え後の除草作業が少し楽になるという算段。
山はもえぎ色に染まり、ため息が出るほどの美しさ。
一年で一番好きな季節です。
苗は床伏せ後数日でツンツンと無事に発芽しまして、
現在はこのくらい、まだ2葉くらいです。
田植えまでに順調に成長すれば4.5葉くらいになってくれる予定です。
例年、終盤になって十分大きくなり切らないまま止まってしまい、黄色く老化してしてしまうことが多いのでそれが少し心配ですが…。
畑では大麦が穂を出しています。
畑の野菜がちょうど何もない時期なのですが、ありがたいことに山の恵み、山菜の美味しい季節です。
こちらはタラの芽。
てんぷらが最高。
こちらはコゴミ。
茹でて胡麻和えが美味しいです。
その他にはウドや、アサツキ、そろそろワラビも出始めています。
世の中が大変なことになっても、自然は変わらず巡ってくれることが本当にありがたいなあと思います。
あちこちで草も伸び始め、もうじき草刈りシーズンも始まります。
本格的な農繁期に突入です~。





2020年5月1日金曜日

お米の種蒔き

4月はいつまでも肌寒い日が続いていたのですが、急に気温が上がっていきなり初夏の陽気になりました。
先日、お米の種蒔きを無事に終えました。
同じ村内のいつもお世話になっているファミリーに手伝ってもらい、作業はとてもはかどりました。
浸漬していた種籾を引き上げて、お風呂を使って25℃~くらいで温度をかけて催芽します。
はと胸くらいで仕上げるのが良いとされていますが、少し出過ぎたものもあり…。
それを全自動式の播種機で苗箱に蒔いていきます。
全自動とは言っても土を補充したり、蒔き終わった箱を移動したり灌水したりと結構忙しい。
また、土は近所の山土を取って来て使っているのですが、それを篩でふるって準備するのも忙しい。
ササニシキ249枚
ササシグレ26枚
白毛モチ12枚
ファミリーが自給用の田んぼで使う苗も含めて全部で287枚蒔きました。

日を改めて、種を蒔いた苗箱を苗代に並べる作業。
これが人力でやるしかないしんどい作業なのです。
ぬかるむ苗代田に入って重い苗箱を運んで、腰をかがめながら一枚づつ並べていきます。
最後は保温シートを掛けて出来上がり。
5人がかりでやったらほぼ半日と予想以上に早く終わりました。
やっぱり農業は人手だなあと痛感しました。
ありがとうございました!
無事に芽が出て健康な良い苗に育ちますように。

種を蒔き終わると、いよいよ始まったなあ、とドキドキするような緊張感とワクワクするような高揚感とが入り混じった気持ちになります。




2020年4月18日土曜日

田起こし、種籾浸種など田んぼ仕事始まりました。

4月に入ってから寒い日が多かったのですが、ようやく雪のアルプスをバックに桜が咲きました。
いよいよ今年の田んぼ仕事が始まりました。
まず、天気が続いて田んぼが乾いてきたころを見計らって田起こしです。
冬眠していた田んぼに空気を入れてを起こすようなイメージで、ゴロゴロと粗く耕すよう心掛けます。
田んぼの命が動き出します。
続いて充実した良い種籾を選ぶための選別作業。
昨年秋に種取した種籾を、古い餅つき機を使って籾についているノギや軸を取り除いたうえで、2.2㎜の網の選別機にかけて小さな籾を落とします。
続いて塩水選、濃い食塩水を作って浮いた籾を取り除き、沈んだ充実した種籾を使います。
約20%の食塩水を作るのでかなりの量の塩を使います。
塩水選後はすぐに温湯消毒。
あらかじめお風呂を熱めに沸かして60℃まで上げておき、塩水選を終えた種籾をすぐに7分間漬けます。
60℃のお湯って手を入れていられないほど熱いです。
この温湯消毒をすることで、農薬を使用することなく種籾由来の病気を予防することが出来るのですが、温度と時間が過不足すると発芽率が落ちたり逆に病気予防効果が上がらなかったりするので、温度計とタイマーとにらめっこでかなり神経を使います。
この塩水選と温湯消毒は、農薬を使わずに病気を防ぐための優れた知恵ではあるのですが、自然の摂理とは少し離れてしまっている方法かなと感じています。
田んぼの泥で選別消毒をするという方法もあるようで、その方がより自然な方法だなとは思うのですが、なかなか踏み切れないでいます。
温湯消毒が終わったら冷水に漬けて、種蒔きまで約一週間浸漬しておきます。
今年はいつもの「ササニシキ」と「白毛モチ」に加えて、ササニシキの親に当る「ササシグレ」という品種の種籾を知り合いが分けてくれたので、試験的に植えてみようと思います。
楽しみです。
畑では麦が青々として上へと伸び始めています。
世の中はコロナウィルスで大変なことになっていますが、自然界はまるでそんな騒ぎとは関係無いかのように巡っています。
今年も無事に田んぼ仕事ができることに感謝です。

2020年4月1日水曜日

発酵三昧の日々

先日、再び寒の戻りで予想以上の大雪となりました。
冬の間は一度も雪かきをしなかったのに、3月末になって初めて雪かきをすることに。
湿った重い雪だったので良い汗をかきました。
さてそんな中、発酵三昧の日々を過ごしておりました。
味噌用の米麹を仕込んでは、
週末ごとに出来た麹と大豆で近隣のお客さんと一緒に味噌作り。

丹精込めて栽培した自然栽培の大豆とお米(米麹)がそれぞれの家庭に味噌として旅立って行きました。
美味しい味噌になれよ~。
近隣の方、よろこぶつち農園の自然栽培の大豆とササニシキの米麹で手前味噌を仕込んでみませんか~?
来年になってしまいますが、まだ少し枠に余裕があります。
多めに作った米麹でどぶろくを仕込んでみました。
米麹と蒸かしたお米と湧水、スターターとして純米酒の酒粕にレモン汁を少々。
10日ほどでブクブクと元気に湧いてきました。
初めは甘い乳酸飲料のような味わい、やがて徐々にアルコール発酵が始まって複雑な味わいへと日々味が変化していくのが面白いです。
飲んで量が少し減ってきたら、再び米麹と蒸かしたお米・湧水を足すとまた元気にブクブク湧いてきます。
生きた乳酸菌と酵母、微生物たちが愛おしく感じます。
これを毎日飲み始めてからお腹の調子も体調も良いような気がします。
そして、このどぶろくはパン種にもなるのです。
昨年収穫したスペルト小麦の全粒粉とどぶろくでパンを焼いてみました。
仕込んだ生地を少し温度かけるととても元気よく膨らんでくれました。
焼いてみるとほのかにお酒の香りのするとても風味の良いパンが焼けました。
いや~、発酵の世界は面白いです。
こんな時だからこそ、生きた本物の発酵食品を自給することがますます重要になってくるのではないかと思います。
来週は去年仕込んだ醤油の搾りもやる予定です。

そろそろ田んぼの田起こし作業を始めたりしたいのですが、ドカ雪とその後の雨で田んぼは水浸し、しばらくは田んぼに入ることはできなさそうです。