北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2019年11月19日火曜日

大豆の収穫、小麦の種蒔き

話が前後してしまいましたが、お米の水分がなかなか下がらずに脱穀が出来ないでいる間に先に大豆の収穫をしていました。
葉っぱが落ちて全体が枯れたころに収穫です。
この畑の大豆たちは夏に葉をシカに食べられてあまり大きくなれなかったのですが、それでも健気に実を付けてくれました。
収量は例年よりも少なくなりそうですが…。
刈るのは刈り払い機で刈り倒すのですが、後はひたすら手で集めて束にして紐で縛ってハザに掛けてゆきます。
大規模農家さんは全部機械でやってしまうところですが、当農園では手作業です(笑)。
写真は別の畑ですが、この日は近隣から味噌や醤油を一緒に作っている女性陣が、「大豆が穫れないと味噌・醤油ができないからね~」、と手伝いに来てくれました。
別の日には名古屋から泊まり込みで手伝いに来てくれたお米の定期購入のお客様も…。
手伝って下さった皆様ありがとうございました!
無事にハザに掛かりました。
莢がカラカラに乾いた頃に大豆用の脱穀機を借りてきて脱穀する予定です。
大豆の収穫が終わった畑をすぐにトラクターで耕耘します。
手押しの播種機で麦の種を蒔きました。
南部小麦とスペルト小麦、大麦の三種。
麦を大豆の裏作で麦を栽培しようとするとどうしても播種時期が遅くなってしまうのが難点ですが、限られた畑の面積を有効に使うためにこのような方法をとっています。
時期が遅いため種を多めに蒔いてみました。
気温が下がっているので発芽まで時間がかかりましたが、播種後10日ほどでツンツン芽が出てきました。
シカの食害が心配ですが、たくましく育って欲しいものです。
小麦は小麦粉としての他、製麺所に委託して乾麺に加工したり、手作り醤油の原料になったりします。
大麦は数年前に作った麦麹の味噌が好評だったので今年は復活させてみました。
朝は冷え込んで霜が降りることも多くなってきました。
寒いのは辛いのですが、寒さゆえの美しさにハッとします。
朝、雲の上から顔を出した北アルプス。
既に雪をかぶって冬化粧です。
脱穀した後の田んぼの藁の片付けをしなくちゃ…。





2019年11月12日火曜日

ササニシキの脱穀終了、新米の販売始めます!

先月の台風とその後の2週間に渡る天候不順の影響で大幅に遅れていたお米の脱穀作業。
11月に入りようやく天気が安定した後も、今度は気温が低いためなかなかお米の水分が下がらず作業が出来ずにいました。
理想は15%なのですが、17%代~16%代からなかなか下がってくれなくてずいぶん気をもみました。
このまま乾かないまま冬になってしまったらどうしよう、と真剣に心配したのですが、先日やっと15%代まで下がってきてくれたので、やっとやっとの脱穀作業です。
稲刈りの後、実に1か月以上も干していたことになります。
気候変動に伴う異常気象の頻発する時代、天候の影響をもろに受ける「ハザ掛け天日干し」はますますリスクの大きい方法となりそうです。
脱穀3日目には隣町の先輩農家さんがハーベスターを軽トラに積んで応援に駆けつけてくれました。
ありがとうございました!
脱穀機から出てくるササニシキの籾を見ると感無量、今年もいろいろありましたが、なんとかかんとかここまでこぎ着けることが出来ました。
自然の恵みと支えて下さった皆様に感謝です。
脱穀は脱穀の終わった後がなかなかの重労働なのです。
30㎏の籾袋を運搬車に乗せて運び、
軽トラで家まで運んで、
計量して貯蔵部屋に運び込んで終了!
4日間でトータルで約120袋の籾袋を運んで腰が痛くなりかけました(笑)。
積み上がった籾袋を見ると本当に豊かな気持ちになります。
気になる収量は予想していたよりもやや良くて、新規のお客様にも少しですがご案内できそうです。
さっそく新米を籾摺りして5分搗きにして炊いてみました。
艶と粘りと張り、香りも良く、最高に美味しいです!
おかずなしでも美味しくてついつい食べすぎてしまいます。

遅れていました2019年産自然栽培ササニシキ新米の販売開始します!
ネットショップよりご注文下さい。
yorokobutsuchi.cart.fc2.com

さて、明日は残ったもち米(白毛モチ)の脱穀を終わらせます。

2019年10月18日金曜日

台風が過ぎて。

報告が遅くなってしまいました。
台風19号のことでご心配をいただきご連絡を頂いた皆様、ありがとうございました。
当地ではものすごい大雨が降りましたが幸い被害はありませんでした。
風が吹かなかったので、稲刈り後のハザ掛けした稲も倒されることなく無事でとりあえずホッとしております。
大豆畑も倒伏することもなく無事です。
全体に黄色く色付いてきて収穫期が近づいています。

ただ、当地から車で40分ほど下った千曲川沿いの地域は大きな浸水被害を受けてしまいました。
普段から時々行く場所も被災しているようでショックを受けています。
被災された方々には心からお見舞い申し上げます。
住宅の被害はもちろんのこと、田んぼや果樹園が水没してしまった農家さんのショックはいかほどか。

ここ最近、毎年のように(しかも同じ年に複数回)大きな災害が起きています。
本当に異常な事態だなと思います。
今回は幸い当地は被害がありませんでしたが、いつ何があってもおかしくないなと思います。

気候変動や海水温が上がっていることで以前よりも気候が極端になり台風が強力になっている可能性。
山に手入れが行き届かない針葉樹の人工林が増えたことや、コンクリートで様々な所を固めたことことで山の保水力が落ちているという可能性。
ダムや堤防で洪水を抑えるという発想の限界。
災害に備えて、あるいは災害が起きた時の政府や行政の対応などなど…。
私たちの生活から、社会、経済、政治の在り方も含めて自然と調和する方向へと大きく考え直さなければならないのではと思わされます。

台風の後も短い周期で雨が降って天気が安定しません。
この先も雨や曇りメインの予報となっていて、ハザに干したお米が乾かず、いつになったら脱穀が出来るのか目途が立たないでいます。
大豆の収穫や小麦の種蒔きも控えているので、早く天気が安定してほしいと祈るばかりです。
お米の脱穀前にお米の貯蔵庫にクーラーを設置しました。
あわせて壁の断熱工事もしています。
去年くらいから、夏の暑さが厳しいせいか籾で貯蔵中のお米に、部分的ではありますが虫害が発生するようになってしまったのです。
それまでは籾で保管していれば虫が付くことはまずなかったのですが、お米の糠の部分が好きな虫で、籾摺りをすると玄米の中に白米や分搗き状態になったお米が混じることが…。
(お客様にお届けしたお米にもそのようなお米が少しですが混じっていたかもしれません。申し訳ありません。)
籾を入れている袋にニンニクやトウガラシを入れたりしても効果なく…。
夏の間だけとはいえ電気代もかかりそうですし、できるだけ電気に頼らない生活を目指してきたので、これは少々悔しい選択です。
電気も自給するしかないのかな?
自然と調和した生活への道のりは長いですね。




2019年10月9日水曜日

稲刈り終わりました!

9/27から始めた稲刈り、ようやく先日(10/7)終わりました。
10枚の田んぼを約10日かけての長丁場でした。
今年は9月が晴ベースだったので、落水以降田んぼが良く乾いて作業がしやすく助かりました。
ここ数年、毎年秋の長雨で田んぼがぬかるんで苦労してきたことから比べると天国のよう。
例年のように田んぼがぬかるんでいると、車重が重いためはまりやすくて使えない2条刈バインダーも久しぶりに大活躍で、幸先の良いスタートでした。
しかし、途中から結束ミスを連発するようになり、序盤であえなく脱落。
やむなく例年通りの1輪1条刈バインダーでしのぎつつ、農機屋さんに見てもらったところ、古い機械のためおそらく結束部の部品が消耗していて部品ごと交換しなくてはならず、すぐのことにはならないとのこと…。
そうこうしているうちに代打の1輪1条刈バインダーもエンジンが不調に…。
どうして忙しい時に限って機械って機嫌が悪くなるのでしょうか?
近所の方が見かねて2条刈バインダーを貸して下さることになり、救われました。
かなり新しいバインダーなのですが、とても具合が良くて結束ミスはほぼゼロ!
仕事もはかどります。
ヤフオクで安く買った古い中古のものとは違います。
農業機械は経済事情が許せばなるべく新しいものが良いなあと実感。
新しいバインダーが欲しくなってしまいました…。

今年も多くの方にハザ掛け作業を手伝っていただきました。
来てくれた子供たちもカエルと戯れつつ一生懸命手伝ってくれました。
ありがとうございました!
ハザ棒を組んで立て、稲束を集めて掛ける作業は本当に手間のかかる作業です。
昔ながらの天日干しのお米は乾燥機で乾燥させた一般的なお米よりも美味しいと言われています。
お日さまと風の力でゆっくりじっくりと乾燥されること、また茎に残った養分が籾に送られることで美味しいお米になるそうです。
余計な石油燃料を使わなくて済むのも魅力ですし、ハザが並んだ秋の棚田の風景も残していきたい。
でも、手間と労力がかかることから、現在流通しているお米のほとんどは機械乾燥のお米になってしまいました。
当農園でも天日干しを続けるには現状の面積(7反半)が物理的・体力的に限界かなと言うのが実感です。
手伝いに来てくれる皆さんによって当農園の天日干し米は支えられています。
来年も是非多くの方に手伝いに来ていただけると嬉しいです。
気になる収量は、ハザに掛けた感じでは全体的に去年よりもやや少ない感じです。
既に予約いただいたお客様の分だけで一杯になってしまうか、足りないくらいかも…。
今後の天気によりますが、2~3週間干して水分を見て脱穀する予定です。

今週末に来るという台風19号が心配です。
台風でもハザが倒されないようハザ足はしっかり田んぼに打ち込んだつもりですが、どうなりますか…。
大きな被害が無いよう祈るばかりです。

2019年9月19日木曜日

シカにお米を食べられる!稲刈りに向けてひたすらよけ掘り。

大豆に続いてお米もやられました!
稲刈り間近のお米を何者かに食べられました。
イノシシは倒しながら食べるので、今回もシカだと思われます。
シカは基本的に葉っぱ系が大好きなのですが、まさか稲穂も食べるとは…。
電気柵を飛び越えて田んぼに入ったと思われます。
被害は今のことろ限定的ですが、ショックです…。
慌てて電気柵をかさ上げしたりして補強しましたが、被害が広がらないことを祈るのみです。

ここしばらくは稲刈りに向けてひたすら「よけ掘り」をしていました。
今年の秋は例年に比べて今のところ晴ベースの天候なので、例年よりも田んぼも乾いてきていますが、傾斜地の棚田ではどうしても山側や水路の方から水が浸み出てきてその付近がいつまで乾かないという田んぼが多いので、「よけ」を掘って排水するという作業が必要になります。
この作業を怠ると稲刈りの時にぬかるんでバインダーがはまってドロドロになりながら稲刈りするはめに…。
過去に一度作った「よけ」をそのまま毎年使うのですが、夏の間に泥がたまって浅くなっているのでスコップでたまった泥を揚げていきます。
こればかりは機械では出来ない作業なのでひたすら地道にスコップです。
泥だらけになるし地味にきつい肉体労働です。
よけ掘りは稲刈りのためだけでなく、その後冬の間に田んぼをできるだけ乾かすためにも大事な作業になります。
この「よけ」には生き物がいっぱい。
写真は上げた泥の中から出てきたドジョウ。
他にもイモリや、コオイムシ、ゲンゴロウ、ヤゴなどなど。
水のなくなった田んぼからの生き物の避難先になっているようです。
泥上げするとこの生き物たちの住処を壊してしまうことになるので何とも申し訳ないと思いつつ…。
今ごろになってイタリアントマト(サンマルツァーノ)がごろごろ採れました。
ラタトゥイユ、パスタ、トマトスープなど料理に使うととても美味しい。
そして秋の味覚の栗があちこちで実を落としています。
これから栗三昧です。
それにしても誰も拾わない放置された栗の木が村にはたくさんあります。
どなたか拾いに来ませんか?

いよいよ今月末から稲刈り開始の予定です。
どうか天気が順調でありますように。
台風さん来ないでね。



2019年9月11日水曜日

真夏の暑さが復活。

前回、残暑らしい残暑もないまま秋になってしまったなあという投稿をしたのですが、その直後しばらく真夏のような暑さが復活でした。
台風15号はもしかしたら直撃するのではと心配しましたが、当地に全く影響はなくホッとしております。
(千葉県の方は大変な被害が出ているようで心配しております。)
この暑さでササニシキの登熟も駆け足で進み色付きも一段と進みました。
稲刈りが想定よりも早まるかも知れません。
ただ、お米にとってはこの登熟の時期はある程度気温が下がり秋らしい涼しい気候の方が美味しいお米になり、逆に高温が続くとお米の食味には悪影響が出ると言われているので、影響が心配です…。
 つい先日、稲刈りに向けて間断灌水での水管理もやめて水を落としました。
これから、稲刈りの作業がしやすいように「よけ」を掘るなどして田んぼをなるべく乾かしていきます。
この暑さで田んぼの畦草もまだまだ伸びる伸びる。
これで最後の草刈りになることを願いつつの畦草刈り作業もようやく終わりそう。
田植え前の5月下旬に1回目の草刈りをしてからだいたい4回草刈りしたことになります。
畦草刈り機を導入してずいぶん楽にはなりましたが、それでも汗びっしょりになります。
大豆畑のシカの食害はその後少しずつ拡大しているのが心配…。
この時期は他にも青々した美味しそうな草がいっぱい生えているのにどうして大豆の葉っぱを狙ったように食べるのでしょうか?
よっぽど美味しいのでしょうね。
あわてて電柵が低くなっている部分を追加で補修しましたが、どこから入っているのか分からないので困ってしまいます。
野生動物との共生はなかなか難しい…。
久しぶりに雲一つなくアルプスがくっきりと姿を見せてくれた日の写真です。

2019年9月4日水曜日

秋の訪れと冬支度。

お盆以降、雨や曇りメインの天気が続いています。
気温もあまり上がらず 一気に涼しくなりました。
あれだけ暑かったのが嘘のようです。
たまに晴れると暑くはなるのですが、朝晩はとても涼しいです。
本当に暑かったのは7月末~お盆までの実質20日間ほど、信州の夏は短いですね。
写真は久しぶりの晴れ間の田んぼの様子。
ササニシキは今のところ順調で、穂が垂れてきて少しづつ色付いてきました。
まだ間断灌水で水管理をしていますが、もう少ししたら田んぼの水を落とし、稲刈りに向けて準備を始める予定です。
稲刈りは1か月後の9月末から10月初旬を予定しています。
台風の被害などなく天候が順調でありますように。
稲刈りの援農お手伝い大歓迎です!
大豆畑では花の季節が終わり、大豆の赤ちゃんである小さな莢が付いています。
が、大問題が発生!
上の方の葉が無いのが分かりますでしょうか?
どうやら鹿に侵入されて食べられてしまったようです。
今のところまだ上の方の葉だけなので大丈夫ですが、この先被害が拡大し下の方まで食べられてしまうと大変なことに…。
地域の田畑全体を共同で電柵で囲っているのですが、どこからか、たぶん電柵が低くなっている所を飛び越えて入ったようです。
あわてて電柵の低くなっている部分を補修して回りましたが、囲っている面積が広いので全部はカバーできず…。
鹿さん、お願いだからこれ以上入らないで。
そして涼しくなってきて慌てて薪割り、冬支度しています。
冬の厳しい当地で古民家で冬を越すには薪が欠かせません。
本来ならもう少し早く、春くらいまでに割って乾かしておかないといけないのですが、春以降は農作業が忙しくてついついこの時期になってしまいます。
去年も同じことを言っていたような…(笑)。
なんとか冬までに乾いてくれますように。
でも、薪が薪小屋に積み上がった光景は本当に豊かな気持ちになります。
生きるために必要なもの、もちろんお金も必要ですが、米と野菜と薪が1年分しっかりとあるということも本当に安心感につながるなあと思います。
(野菜はなかなか実現できていませんが…。)
冬の終わり頃になってまだ寒いのに薪が無くなるというのは本当に切ないので、そうならないように薪割りもう少し頑張ります。