北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2020年9月21日月曜日

稲刈り始まりました。

昨日より急遽稲刈りを始めました。

お米の登熟が予想以上に早く、今週後半に天気が崩れるとの天気予報と田んぼの乾き具合を見ながら予定を前倒ししての稲刈り開始です。

梅雨明け後の猛暑で登熟が早まったと思われますが、例年よりも1週間から10日ほども早いことになります。

まずは一番乾きの早い小さな田んぼから。

いきなりバインダーのエンジンが調子悪くなるというハプニングで出鼻をくじかれましたが、キャブレターの掃除をして何とか復活。

今年は7月の長梅雨で病気が発生したり、除草機のかけすぎによる根傷みに伴う生育不良など、試練の多い稲作となりましたが、こうして稲刈りができることに感謝です。


刈った稲は昔ながらのハザ掛けにして天日干しにします(上の2枚の写真はそれぞれ違う田んぼですが)。
ハザを組んで、稲束を集めて掛けるという作業、私は好きな作業なのですが、とにかく手間と時間がかかる作業です。
加えて天気に大きく左右されることもあり、平野部の稲作地域ではほぼ見られない光景になってしまいました。

時間のかかるよろこぶつち農園の稲刈り、9月いっぱいを目標に10日ほどかけて順番にやっていく予定です。
途中で雨も降るので結局2週間、10月頭頃までかかってしまいそうです。
ハザ掛けの助っ人、大歓迎です。

順番が前後してしまいますが、稲刈りの前は準備として「よけ」の泥上げをひたすらやっておりました。
田んぼの排水を促すために田んぼの周りに「よけ」(溝)が掘ってあるのですが、夏の間に泥で半分埋まってしまうため、ひたすらスコップでその泥を上げていきます。
これをやらないと田んぼの水がなかなか抜けずに稲刈り時にぬかって大変なことになってしまいます。
また、稲刈り後から冬の間にかけてもできるだけ田んぼを乾いた状態にしておきたいので、そのためにも必須の作業なのですが、この作業地味にきつい重労働なのです。
泥だけでなく、よけ周辺にはキシュウスズメノヒエなどの草の根っこが蔓延っていて余計にしんどい。
稲刈り前からヘロヘロになってしまいました。
でも、よけは水を落とした後の田んぼの生き物たちの逃げ場になっていて、たくさんに生き物たちに会うことができました。
でもこれから雨が降らない限りはよけの水もやがて無くなっていってしまうのですが、生き物たちはどうやって生き延びているのか不思議です。


2020年9月10日木曜日

秋風渡る

9月に入っても暑い日が続いていましたが、先日の台風の後は急に秋風が吹き始め、今日は一日曇りや雨の涼しい天気でした。
田んぼのササニシキはあっという間に黄金色に変わり、日に日にその色を濃くしています。
8月からの好天続きで登熟が例年よりも早く、稲刈りの時期も早まりそうな予感です。
7月の長雨や除草機のかけすぎによる根傷みで、全体的に分茎はあまり良くない田んぼが多いのですが、8月以降の好天続きで穂の充実は良いような気がします。
先日九州方面を襲った台風9号と10号の二つの台風によって、遠く離れたここ信州でもかなりの風が吹きました。
この風でいくつかの田んぼで稲が倒伏してしまいました。
上の写真はササニシキ。
背が高くてもともと倒伏しやすい白毛モチはもうどうしようもないくらいに倒れています。
全体的に葉色が濃くて生育が旺盛だった部分を中心に倒れていますが、分茎少なくあまり生育が良くなかった部分も倒れているところもあり。
例年だと台風が直撃してもなびくくらいでここまで倒れることはなかったのに…。
8月以降の猛暑で稲体に対して稲穂が重くなりすぎてしまったのか、あるいは窒素が過剰になり稲体が軟弱になってしまったのか…。
例年になく倒れてしまった原因を考えあぐねています。
倒れた状態で雨が続いたり台風が来たりすると穂発芽したりとお米の品質が悪くなってしまうので、気がかりなことがまた増えてしまいました。
稲刈りまで好天が続いてくれますように!
田んぼは、そろそろ水を入れるのを止めて、稲刈りに向けて水を落とす段階になってきました。
畑の大豆は、7月の長雨で初期生育があまり良くなくて、減収となるかもと半分あきらめ気味で、このブログでもお伝えしていたのですが、8月以降の好天続きで過繁茂を心配するくらいぐいぐいと追い付いてきました。
花が咲き始めた後からの追い上げがすごかった。
繁り過ぎてしまうと実の付が悪くなることが心配になりますが、莢の中も確認しましたがちゃんと実が入っていました。
大豆の生命力の強さに感動しました。
このまま順調にいけば大豆は豊作になりそうです。
この間、田んぼの水管理をしながら稲の生育を見守りつつ、あちこちの伸びた畦草を刈りまくり、
新しく借りた休耕田が山側から常時水が湧き出ていてぬかるんでいるため、来年以降の復田に向けて近所の方から重機(バックホー)を借りてきてよけ(排水のための明渠)を掘ったりしていました。
この重機の作業、やってみると面白くて思わず夢中になってしまいました。
鎌一本の手作業で出来る自然農の世界にも魅かれる一方で、人力ではとてもできない仕事を難なくこなす機械の魅力にも魅かれてしまうんですねえ。
脱穀したままになっていたスペルト小麦(古代小麦)の籾摺り作業をしました。
一般的な小麦と違ってかたい籾に覆われているスペルト小麦です。
お米用の籾摺り機にかけるときれいな実が出てきました。
これでようやく製粉して食べることができます。
お米と混じらないように機械の掃除をするのが大変でした。
量に少し余裕がありそうなので販売もすることを考えています。
味わい深いスペルト小麦、どうぞお楽しみに。


2020年8月22日土曜日

猛暑の日々が続きます。

 

長雨の後は毎日猛暑が続いています。
この暑さのお蔭もあり、ササニシキはあっという間に出穂開花がほぼ終わって穂が頭を垂れてきました。
写真は除草機のかけすぎによる根痛みも病気もなかった順調な田んぼです。
全ての田んぼがこのように順調にいってくれれば良いのですが、なかなかうまくいかないものです。
こちらは少し遡ってお盆前の頃、出穂開花の頃の写真です。
お米の開花の瞬間、日中の短い時間に籾が二つにパカッと割れて雌しべに雄しべの花粉が受粉し、終わるとすぐに閉じてしまいます。
まさに籾の中にお米の赤ちゃんが誕生する瞬間、生命の神秘を感じます。
以降、夏の日差しを浴びて水をたっぷり吸いながら丸々としたお米へと成長してきます。
現在、少し遅れて晩生のもち米の白毛モチが出穂開花の時期です。
白いノギが美しいです。
さて一方、こちらはいもち病にかかってしまった田んぼです。
やはり、恐れていたとおり、葉に出たいもち病が穂にも感染する穂いもちが広がりつつあります。
いもちにかかってしまった籾はそこで枯れて死んでしまうのでシイナやくず米になってしまいます。
さらに穂の付け根がいもちにかかってしまうと穂全体が枯れてしまいます…。
葉いもちのひどい所はやっぱり穂いもちの感染もかなり進んでいます。
穂がほほ出揃った頃を見計らって、先日ヤフオクで入手した動力散布機で消石灰を全面に散布しました。
ホタテの貝殻石灰の水溶液は全くと言っていいほど効果が無かったので、田んぼの先生から勧められてよりアルカリ度の高い消石灰を粉で撒くことにしました。
強いアルカリでいもち菌の活動を抑え込むことを期待してのことです。
消石灰を動力散布機で撒くと石灰の微粉が辺りにもうもうと舞い上がるのでゴーグルとマスクで完全防備、まるで農薬を撒いているような風景でした…。
石灰散布の他にも、田んぼの磁場の改善を期待して田んぼの四隅に炭素棒を設置したり、生物活性水を散布したりしています。
これで何とか進行が止まってくれれば良いのですが…。
さて、大豆畑では今が大豆の花盛りです。
大豆は紫色の小さなかわいい花が咲きます。
大豆も花の時期は水分が必要と言われていますが、梅雨明け以降全然雨が降らず土がカラカラなので、元田んぼの強みを生かして水を引き込んで灌水しました。
今年は発芽後の7月初旬に大雨が続き、元田んぼの弱みの水はけの悪さで、なかなか水が引かなかったことが影響して初期生育が悪くて全体的に樹勢が小さいのですが、このところの暑さで徐々に追い上げてきました。
それでも完全にという訳にはいかず、例年よりは収穫量は減ってしまいそうです。

お盆頃には農作業も少し落ち着いたので、冬のための薪作りを慌ててやっています。
山間地なので、薪は近所の山の木をもらってくることが多いです。
乾かす期間も考えると本当はもっと早い時期にやっておきたい作業なのですが、ついつい後回しになってしまいます。
でもさすがに夏までにやっておかないと、古民家で信州の厳しい冬を無事に生きて超すことが出来なくなってしまうので、暑い時間帯を避けつつ必死にやっています。
節があったりして斧で割れないものは友人の薪割り機を借りて割っています。
その後この薪小屋が一杯になってようやく目途がつきました。
この猛暑続きでお米の登熟が早く進み稲刈りの時期が早まるかも知れません。
早いものでもう稲刈りのことを心配する時期になってきました。





2020年8月5日水曜日

夏の到来!でも…。

8月になってやっと長い長い梅雨が明けました。
特に7月は梅雨の晴れ間がほとんどなく雨続きの厳しい天気でした。
ギラギラの真夏の太陽の日差しが嬉しいです。
田んぼの稲や畑の野菜、野の草、山の木々たちも喜んでいるようです。
田んぼの稲は茎の上の方までぷっくりと膨らんできて間もなく出穂です。
出穂・開花の時期は一番水が必要と言われているので、水を切らさないよう気を付けます。
写真にはありませんが、除草機のかけ過ぎで稲の根まで傷めてしまった田んぼは、徐々に回復しつつあるものの、やはり分茎・背丈共に少なく、厳しい状態です…。
詳しくは前回の記事をご覧ください。
さらにショックなことに、一番生育の良かった田んぼで梅雨明け前にいもち病が発生してしまいました。
写真では分かり難いかもしれませんが、葉に茶色い斑点がたくさん、場所によってはかなり進行していて重症です…。
これから穂が出て、このいもち病が穂にも移ってしまうと、穂が枯れてしまい大幅な減収となってしまう怖い病気です。
2年間畑にして麦や大豆を栽培した後に、今年から田んぼにしたのですが、全くの無肥料に関わらず、生育旺盛で除草も機械除草を1回しただけで勝手に育ってくれて手のかからない田んぼでした。
生育が旺盛すぎる状態で長雨が続いたので少し心配はしていたのですが…。
2年間畑にしていたことによる乾土効果に加えて大豆を栽培したこともあって天然の窒素が過剰気味に良く効いていたところに、長雨が続いていもち菌の好きな環境が整ってしまったと思われます。
過剰に効いている窒素を切るためにも、7月中旬頃から田んぼの水を排水して中干しをしていたのですが、長雨続きでなかなか水が切れなかったことも追い打ちをかけました。
自然栽培では病気は必要があって出ていると考えますが、日々病気が広がっていくのを見るのはやっぱり辛いものがあり、農薬を使いたくなる気持ちもとてもよく分かります。
もちろん農薬は使いたくありませんので、いもち病に効果があるというホタテの貝殻石灰の水溶液を作って動噴で葉面散布したりしていますが、今のところ感染進行に歯止めがかからない状態です。
今度は稲が出穂期に入って水が必要な時期になっているので水を入れたいのですが、でもいもち病のことを考えると水は入れない方が良く、悩ましいところです。
なんとか被害が少なく済んでくれることを祈るしかありません(泣)。
さて、今度は大豆畑。
梅雨の間は雨続きで大豆畑の手入れが出来ずに草だらけになっていましたが、ようやく土が落ち着いてきたので大豆の救出をしました。
管理機で土寄せをして草を抑えます。
元田んぼで土がまだかなり湿っているため作業がとてもやりにくいです。
日照不足と土の過湿の影響か、例年に比べて大豆の生育もだいぶ遅い感じです。
天気が回復したので、今後生育が追い付いてくれることを祈るしかありません。
何だか祈ってばかりですね。
大自然を前に人間は祈るしかないのか?(笑)
干したまんまの小麦の脱穀もしなきゃなあ…。

8/6追記
今日は広島に原爆が落とされた日。
両親が広島出身で、子供の頃は毎年のように広島の祖父母の所に行っていた私にとって、特別な日です。
あの日無残に死んでいった人たち、生き残ったものの後遺症に苦しんだ人たち、全ての被害者に思いを寄せたいと思います。
あのような理不尽で悲惨なことが2度と繰り返されないよう、戦争と核兵器のない世界を願って。
その先頭に日本政府が立つことを願って。





2020年7月26日日曜日

天気も気持ちも雨続きです。


またまた雨続きの天気です。
アルプスもしばらく顔を見せてくれません…。
7月中旬には田んぼの除草を終え、その後に畦や周辺の草刈りも一通り終えて田んぼ仕事も一段落、ホッと一息ついているところですが、気持ちがいまいち晴れません。
気持ちが晴れないのは雨のせいだけではありません。
一部の田んぼで稲の生育があまり良くないのです。
写真は特にひどい部分ですが、草はまあまあ抑えられているのに生育が止まって全体に葉色が薄くなり、せっかく分茎した茎が黄色く枯れています。
原因は、7月上旬になって最後(3回目)の機械除草をしたことにありそうです。
既に稲がある程度大きくなって根っこをかなり張っていたところに、株際に残った草を取りたいがために除草機の設定をかなりきつめにして除草したため、稲の根っこを傷めてしまったためと思われます。
除草作業の後、ぴたりと成長が止まり、徐々に縮んでいくように元気がなくなっていきました。
草は抑えられたものの、稲まで抑えてしまうという正に本末転倒なことをしてしまいました(涙)…。
私の好きなハンバートハンバートの「ホンマツテントウ虫」という曲を思い出してしまいました(笑)。

稲が大きくなってからの中耕除草作業と根を切るリスクについて認識が甘かったと言わざるをえません。
その後水を落として間断灌水(軽い中干し)の水管理に切り替えて根の回復を期待しているのですが、今のところあまり回復して来ず…。
収量のダウンは避けられそうになさそうです。
来年は早め早めの除草作業で6月中には機械除草を終えるようにするぞ、と決心したものの後の祭りです。
順調に生育している田んぼもあります。
こちらの田んぼは機械除草2回のみ、手取り除草なしで草は残っていますが稲が草に負けることなく元気です。
全ての田んぼでこれが再現できれば楽なのですが、田んぼの条件が違うのか、同じように管理していても同じようにはいかないのが自然栽培の田んぼの奥が深いところです。
こちらの田んぼはさらに生育順調です。
地元の方が作っていた田んぼをもう作れなくなったからと新しく借りた後、2年間畑にして麦や大豆を栽培していたのですが、麦や大豆には水はけが悪くて苦労したので今年から田んぼにした所。
機械除草一回のみでほぼ放置状態ですが、勝手に育ってくれています。
田畑転換という方法もあるようなので、草が多くて苦労している田んぼは畑にして麦や大豆を数年栽培してから田んぼに戻すという選択肢もありかもしれません。
好調な田んぼの収量が不調な田んぼの収量ダウンを補ってくれて、秋には全体でなんとか例年並みの収穫量を確保できると良いのですが…。
さて、しばらく前になってしまいましたが、7月中旬の雨の降る中、田んぼに地元の小学校の子供たちが生き物観察に来てくれました。
講師の先生がタモで泥をすくってみると、いるいる。
イモリ、ドジョウ、トウキョウダルマガエルのオタマジャクシ、コオイムシ、ミズカマキリ、ハシリ蜘蛛、一見ゲンゴロウに似ているガムシ、などなど生き物たちがいっぱい。
私も知らなかった生き物もいて楽しくなってしまいました。
講師の先生が、はやり無農薬歴の長い田んぼほど生き物の多様性が豊かだとおっしゃっていました。
このたくさんの生き物たちと一緒にお米が育っている、この生き物たちのお蔭でお米が健やかに育つ、と思うと本当に嬉しくなります。
田舎は田んぼがあるのは当たり前だけど、無農薬の田んぼは稀な存在、子供たちも何かを感じてくれたら嬉しいなと思いました。
これもまただいぶ時をさかのぼりますが、7月上旬、わずかな晴れ間をついて晩生のスペルト小麦の収穫をしました。
スペルト小麦は品種改良される前の原種に近い小麦で、香りの高い味わい深い小麦です。
栽培面積が2~3畝ほどと少ないので刈った麦は家に持ち帰って雨が当らないように軒下と空いた薪小屋に掛けて一安心です。
とりあえず梅雨明けまでこの状態でしのぎ、梅雨が明けたら脱穀する予定です。
日本では麦の収穫時期と梅雨が重なり、収穫期に長雨に当るとカビや穂発芽のリスクがあるので麦の栽培は本当に気を揉みます。
特に今年は7月に入ってから梅雨の晴れ間がほとんどない長雨で、大面積やっている麦農家さんは本当に大変だと思います。
予報では来週後半にようやく梅雨明けかもということ、ギラギラの太陽が待ち遠しいです。






2020年7月6日月曜日

田んぼの除草も終盤に、麦の収穫と大豆の種蒔き。

気がついたら久しぶりの更新となってしまいました。
今年の梅雨は梅雨らしく雨の多い天気が続いています。
田んぼの水は山水を入れなくても雨の天水だけでほぼ満水の状態です。
稲は今が成長期、盛んに分茎をしています。
稲にとっては冷たい山水よりも暖かい雨の方が嬉しいようで、雨の度にぐんと成長します。
でもあまり長雨が続くと日照不足や災害が心配になります。
田んぼの除草作業もいよいよ終盤、最後の追い込みに入って来ました。
除草機での除草も3巡目です。
草の多い田んぼでは機械除草だけではどうしても株間に草が残ってしまいます。
そこで、機械での除草作業と並行して、今年は草の多い田んぼではこのような道具を使って株間に残った草を取っています。
鉄製の板の下に爪が付いていて前後に動かすことで草を取るのですが、この道具、単純な作りの様でいて実によく出来ています。
この板のお蔭で爪が田面に深く食い込み過ぎず、前後に動かすだけであまり気を使わなくてもちょうど良い深さで爪が田面に入って草を取ってくれるので作業がしやすいです。
草の多い田んぼでも、除草機とこの道具を両方組み合わせれば手取り除草しなくても済むかもです。
とは言っても、手作業なので田んぼが広いとかなり時間がかかってしまうのが難点…。
草のない部分はスキップして時間短縮したいが、これをかける時はどうしても水が濁ってしまうので、草があるかどうかが分からず、草が無い場所もとりあえず無駄にかけなければならない…。
など課題はありますが、機械でない手作業の仕事は田んぼの様々な生き物たちと出会えるのが魅力ではあります。
7月10日過ぎ頃までを目標に、除草作業もう一息がんばりたいと思います。

少し前になってしまいましたが、田んぼの除草作業と梅雨の晴れ間を見計らって、麦の収穫をしました。
写真は大麦、味噌の麹や麦茶になる予定です。
昔はお米と並んで重要な主食だったようです。
こちらは南部小麦。
小麦粉としてはもちろんですが、それ以外にも製麺所に委託して乾麺にしたり、手作り醤油の原料になる予定。
(今年は作付を減らしたので乾麺の加工に出せるかどうかどうか分かりませんが…。)
大麦は登熟が進んで実も固くなっているためその場ですぐに脱穀。
南部小麦はまだ実が固くなり切っていないためハザ掛けし、この後雨よけのシートを掛けました。

限られた畑を有効に使うためもあり、麦・大豆の連続栽培をしています。
麦の収穫後すぐにトラクターで耕耘して大豆の種を蒔きました、と言いたいところですが、頻繁にまとまった雨が降るためなかなかタイミングよく蒔くことが出来ず。
大豆を蒔く時期的にギリギリだったので、最後は土がまだかなり湿っていて作業的にはやりにくかったのですが強行突破で蒔きました。
1週間弱で無事に発芽しました。
しかしよく見ると…。
毎年のことながら、このように鳥につつかれてしまいます。
発芽したての双葉の部分が鳥たちにとっては最高に美味しいみたいです。
全滅ということではなく部分的になのですが、歯抜けのように欠株になってしまいます。
何か鳥除けの対策をしたりとか、あるいは別に苗を仕立てて喰われて欠株になった所を補植したりすれば良いのですが、田んぼの除草で忙しい時期なので出来ないでいます。
鳥さんお手柔らかにお願いします、と祈るのみです(笑)。

田んぼの中の除草にかま掛けている間に、田んぼの外の畦や土手などの草も雨でぐんぐん伸びるので刈らないといけないし、植物たちの生命力のスピードに付いていけません。
怒涛の農繁期はまだしばらく続きます。

2020年6月13日土曜日

田んぼの除草とホウネンエビ

いよいよ梅雨入りしましたね。
それまで全然雨が降らなくて真夏のような暑さが続いていたのが一転、一昨日くらいからかなりまとまった雨が降っています。
田んぼや畑にとっては恵みの雨でした。
稲たちも畑の野菜たちも喜んでいるようです。
田植えから1週間から10日たち稲の苗たちも活着して、徐々に葉色を濃くして上へと伸び始めています。
田植えが終わってホッとする間もなく田んぼの除草作業を進めています。
写真のようなジブリの映画に出てきそうなフォルムの除草機で除草しています。
稲の苗の両側でスクリューが回って泥をかき上げながら4条一気に除草してくれます。
上手く除草するにはスクリューの寄せ具合いと深さの調整が重要で、苗を傷めない程度にできるだけギリギリまでスクリューを寄せて深めになるように調整すれば株間の草まで除草できるのですが、やり過ぎると苗が抜けたり泥で埋まってしまったりしてしまってなかなか加減が難しいです。
除草機をかけた後はわんさかと草が浮いてきます。
長期湛水複数回代かきで、わざと草を生やして代かきをすることで除草し草の種を減らしてきたはずですが、それでもこの量です。
どれだけの種があるのだろう?
草の生命力は本当にすごい。
草が出来るだけ小さいうちに早く全ての田んぼの1回目の除草作業を終えたいのですが、なかなか手間取っています。
これから7月中旬頃までひたすら田んぼの除草に明け暮れる日々が始まりました。
除草機のエンジンを止めると田んぼの中にたくさんの生き物たちがいるのが分かります。
その中でもこの時期にしか見られないお気に入りがこの「ホウネンエビ」です。
メダカくらいの大きさで、小さな黒い目と緑色のヒレみたいなものを盛んに動かして泳ぐ様がなんとも言えずにかわいいのです。
写真は去年のものですが、今年もたくさんいます。
ホウネンエビがたくさん発生した年は豊作になるという言い伝えからその名がついたそうですが、本当に縁起の良い名前です。
その名のとおり豊作になりますように。

麦畑では大麦の穂が黄金色に輝き収穫期が近づいてきました。
この風景、梅雨時ですが「麦秋」と呼ばれています。
この雨であちこちの草たちもぐんぐんと伸びそうです。
田んぼの中だけでなく外の草刈りもしなくちゃなあ。
この時期は草たちの生命力に圧倒されそうです。
これは梅雨入り前の夕暮れの風景。
日暮れ近くまで作業しているとこんな美しい風景に出会えます。