北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2021年10月14日木曜日

脱穀作業始めてます。

 

稲刈りが終わってホッとする間もなく脱穀作業を始めています。

10月としては異例の高温と好天続きで、ハザ掛けしたお米の乾燥が予想以上に早く進み、慌てて脱穀作業を始めました。

水分計で水分を確認するのですが、ハザに干した中の方のお米で目標水分の15%に既になっていますし、ハザの表面は14%にまで乾いています。
乾き過ぎてしまうと胴割れ米が増えたり、食味が低下したりしてしまいますので焦ります。
例年だと2~3週間は干すのですが、今年は早い田んぼで10日~2週間未満で乾いてしまいました。
例年収穫時期は雨に泣かされる年が多いのですが、今年は逆にお日様にせかされるように作業しています。

全体の3分の2ほど脱穀作業を進めたところで、昨日一昨日と雨が降って脱穀作業は一旦中断。

ようやく一息ついているところです。

脱穀されたササニシキの籾。
自然と感謝の念が湧いてきます。
脱穀した籾は重さを計量してそのまま貯蔵部屋に搬入しています。
これが結構な重労働なのです(泣)。
ここで正確な収穫量が判明するのですが、今のところ例年並みくらいの収穫量は確保できそうでホッとしています。

雲海が湧き立つ朝の棚田の風景です。
明日から脱穀作業の再開です。


2021年10月7日木曜日

稲刈りが無事に終わりました。

 

先日、当初の予定通り約10日ほどかかって無事に全ての田んぼの稲刈りを終えました。
最後は晩生の「白毛モチ」。
信州に古くから伝わる在来種で、野性的な逞しさと食味の良さが魅力ですが、背が高くなり倒れやすいのがデメリットです。
写真では写っていませんが、今年もかなり倒れてしまい稲刈り作業がとてもやりにくい…。
倒れてしまう原因は様々あると思うのですが、中干しを少し強めにすることで改善することを期待して来年はやってみようと思います。
作り難さゆえに作られなくなってしまった品種、工夫しながら出来るだけ種を繋いでいきたいと思います。
今年は比較的に天気にも恵まれて田んぼがぬかるむこともほとんどなくて快適な稲刈りでした。
(雨が多い年は田んぼが乾かず、バインダーがぬかるみにはまったり泥だらけになりながら稲刈りするはめになるので…。)
ただ、9月後半以降の好天と高温で予想以上に登熟が早く進み、稲刈り中もどんどん登熟が進んでしまって稲刈り後半の田んぼはやや刈り遅れぎみになってしまったのが反省点です。
(刈り遅れが進むと胴割れ米が増えたり食味が低下したりすると言われています。)
そうかといってコンバインで一気に収穫する方法ではなく昔ながらのハザ掛けではどうしても時間がかかってしまい、どう対処したら良いのか来年以降の課題です。
あくまでハザ掛けにこだわるなら、人手を確実に確保するか、早生晩生など稲刈り時期がずれるように品種を分けるか…。
あるいはササニシキという品種にこだわるなら部分的にでもコンバインと乾燥機を導入するか…。
いろいろ悩むところです。

お忙しいところハザ掛けのお手伝いに来て下さった方々には本当に助けられました。
ありがとうございました!


2021年9月26日日曜日

稲刈り始まりました!

 

いよいよ稲刈りが始まりました。
このところの高温で一気に登熟が進み一斉に刈り時を迎えました。
今年もいろいろありましたが、こうして収穫を迎えることが出来たことに感謝です。
刈った稲は昔ながらのハザ掛け天日干しに。
稲が掛かったハザの長さでおおよその収量が分かるのでドキドキの瞬間でもあります。
刈る作業自体は2条刈りバインダーで早いのですが、その後のハザ掛け作業がとにかく時間がかかります。
大小10枚の田んぼを順番に刈り取り・ハザ掛けしていきますが、順調にいって10日、間に雨など降るのでそれ以上かかってしまう見込みです。
(今日は3日目にして朝から本降りの雨でやむなく中断です。)
あまり日にちがかかるとお米が過熟になってしまう心配も出てきます。
援農・お手伝い、ご興味のある方、大歓迎です。
抜けるような青空に恵まれた秋晴れの朝、北アルプスと黄金色に輝く稲穂が美しく、写真では写りにくいのですが、赤とんぼもたくさん飛び交っています。
秋の味覚、栗があちこちで盛んに実を落としています。
放置しているとイノシシが食べに来るので、敷地内の栗は毎日拾っては蒸かし栗にして食べているのですが、これが飽きない美味しさ。
栗を主食にしていたという縄文人になった気分です(笑)。
自然の恵みに感謝です。






2021年8月26日木曜日

スペルト小麦の販売を始めました。

自然栽培(農薬肥料不使用)で育て、7月に収穫したスペルト小麦の販売を始めました。
注文を頂いてから小型石臼製粉機で丸ごと自家製粉する挽きたての全粒粉です。
玄麦(粒)のままでのご注文も承ります。

スペルト小麦は、現在の普通小麦の原種に当る古い品種で、約9千年前から栽培されていたとも言われている古代小麦です。
普通小麦にはない固くて厚い殻に覆われていて調製作業に手間がかかることや、収穫量が普通小麦の約半分以下と少ないことなどから今ではほとんど栽培されなくなってしまいました。
近年、その栄養価の高さや、小麦グルテン由来のアレルギーやその他の疾患を発症し難いこと、食味の良さなどから注目を集めています。
数年前に知人から種を譲ってもらい、少しづつ増やしてきました。


スペルト小麦の特徴〉
・栄養価が高い~普通小麦に比べてビタミン・ミネラル、良質なタンパク質を多く含んでいます。
・小麦アレルギーなど小麦グルテン由来の疾患を発症し難い~スペルト小麦はグルテンフリーではありませんが、普通小麦とはグルテンの質が違うため小麦アレルギーやその他グルテン由来の疾患を発症し難いと言われています。
・消化吸収が良く低GI~普通小麦に比べて消化が良く、またデンプンが低GIでゆっくりと吸収されるため血糖値の急上昇を招きにくいと言われており体に優しいです。
・なにより美味しい~普通小麦に比べて風味高く、深い味わいです。全粒粉としても、普通小麦の全粒粉と比べてクセが少なくふわっとしてとても食べやすいと思います。
写真はスペルト小麦と水と塩だけで生地を練ったインドの無発酵パン「チャパティ」ですが、スペルト小麦の風味をダイレクトに味わうことが出来てとても美味しいです。

その他パンや焼き菓子、その他中力粉として広く使うことが出来ます。
(※パンにする場合は一般的な強力小麦と比べると膨らむ力が少々弱く、また生地がだれやすいことに注意が必要です。)

現在市販されている小麦粉はほとんどが海外からの輸入品で農薬の使用量が多く、プレハーベスト農薬(収穫直前に散布される除草剤)やポストハーベスト農薬(収穫後の流通過程で使用される殺虫剤など)が残留している心配も指摘されています。
皮ごと安心して食べられる自然栽培のスペルト小麦の風味をぜひお試しください。

ネットショップからご注文頂けます。

2021年8月21日土曜日

久しぶりの青空

昨日はようやく長雨のトンネルから抜けて久しぶりにお日様と青空に恵まれました。

お日様って本当にありがたい。

でも日差しも吹く風も既に夏ではなくてすっかり秋の気配です。

この後はしばらく曇りがちのすっきりしない天気が続く予報で、残暑らしい残暑もなくこのまま秋になってしまうのかな?

幸い、大雨長雨の直接的な被害はなかったのですが、少し標高の高い田んぼは稲の開花と長雨が重なってしまい、実の入りがどうなるか少々心配です。
こちらは晩生のシラケモチ。
名前の由来になった白くて長いノギが美しいのですが、やはり開花と長雨がもろに重なってしまいました。
また、一部の少し生育過剰気味だった田んぼでは、長雨でいもち病が出てしまいました。
今のところまだ軽症ですが、これが穂いもちにまでならないよう祈るばかりです。
猛烈な暑さの続いた後の長雨と低温という本当に極端な気候で、稲にとっても試練の気候だったと思います。
このところ、毎年のように極端な天候が続いていて災害も頻発し、気候変動の影響が確実に私たちの身に降りかかりつつあることを改めて思い知らされます。
長雨の期間中、まだ8月だというのにあまりの涼しさと洗濯物を乾かすために薪ストーブをつけてしまいました(笑)。

畑では大豆が花の盛りです。
水色のきれいな花が咲きます。
でも例年よりも生育が遅い感じです。




 

2021年8月13日金曜日

稲の開花、薪作り

 

猛暑が続いた後は大雨と長雨です。

本当に気候が激しくなっていますね。

そんな天気の中ですが、ササニシキは出穂と開花の盛りで、田んぼによってはほぼ穂が出そろって少し垂れ始めた田んぼもあります。

稲の開花の様子。

稲の花は、午前中の割と短い時間で籾の部分がパカッと二つに開いて咲きます。

自家受粉なので同じ花の中で雄しべと雌しべが受粉するのですが、受粉が終わるとすぐに閉じてしまうそうです。

地味ですが清楚で美しい開花の風景です。

無事に受粉すると籾の中に玄米の赤ちゃんが宿り、この後徐々に大きくなっていき、それに伴って穂が少しづつ垂れていきます。

雨が続くと受粉不良になってしまう可能性が高くなるようなので、今後の雨の降り方が心配です。

稲刈りまで天候が順調であることを祈るばかりです。

稲の足元では田の草のオモダカも花盛りです。
厄介な草なのですが、花はとてもきれいです。

田畑の仕事が落ち着いたので、やっと気になっていた冬のための薪作りをしています。
乾かす期間を考えると本当は春までにやっておきたい仕事ですが、いつもギリギリのこの時期になってしまいます、、、。
春先に地元の方からもらってきたナラやケヤキの木をチェンソーで玉切りにして斧でひたすら割っています。
もらってきた時に既に一年たっていた木だったので、二梅雨当ってナラの木は半分スカスカになりかけていて、とてももったいないことをしました。
同じ時にもらってきたケヤキは全く大丈夫で、良い感じで乾いて斧でも割りやすくなっています。
この薪小屋がいっぱいになるととりあえず一安心なのですが、まだまだたですね。
冬の寒さの厳しい信州の山里では薪のストックは生死に関わりますので頑張ります(笑)。

この雨で薪作りも中断です。
どうか災害になりませんように。




2021年8月6日金曜日

猛暑の中、ササニシキの出穂が始まりました。

久しぶりの投稿になってしまいました。

梅雨明け以降猛暑が続いていて、ここ信州の山里でも昼間は35℃近くまで上がります。

そんな暑さの中、ササニシキの出穂・開花が始まっています。

梅雨明けが早く暑い日が続いた影響か、例年よりも少し早い出穂となりました。

今年もいろいろと課題があり田んぼによってはあまり生育の良くない部分もあるのですが、それでもその生を全うしようとする稲の健気な姿に心打たれます。

「花水」という言葉があるくらい、この出穂開花の時期は特に水を必要とすると言われていて、水を切らさないよう毎日水管理に気を遣います。
この暑くて日照りが続く天候でも、安定した水量が流れ続ける花尾の湧水は本当にありがたい存在です。
写真は花尾の湧水の水源です。
ここからさらに水を集めて水量を増して流れ出て、この地区の田んぼを潤しています。
大豆畑もカラカラで干上がりそうだったので、元田んぼの利点を生かして畝間に水を引き込んで灌水しました。
大豆も喜んでいるようです。
同じ畑の2週間ほど前の写真。
大豆が草に覆われそうだったところを管理機で中耕除草して救出しているところです。
梅雨時の長雨の後の日照りで、畑の土が日干し煉瓦のようにカチンコチンに固まっていて管理機が悲鳴を上げていました(人間も)。
もう一枚別の畑に蒔いた大豆は、田んぼから転作したばかりの畑だったので水はけが悪く、梅雨時の長雨で水没してしまってかなり消えてしまったのですが、生き残った大豆を今度はシカが食べに来て上半分をほとんど食べられてしまいました(電気柵をしているのに!)。
大豆は強いので上が食べられてもまたそこから芽を伸ばして成長するのですが、この畑の付近はシカの活動が活発でそこをまた鹿が食べに来る可能性が高く、どうしたものかと…。
夏のアルプスと棚田の風景です。
今後の気候が順調でありますように。