北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2017年3月30日木曜日

春が来た!

寒くなったり暖かくなったりとまさに三寒四温、いや寒い日の方が多いような気がしますが、ようやく春らしくなってきました。
今回は家の周りで見つけた春の写真を紹介します。
少し前から咲いている春を告げる花、福寿草。

栗林の下に咲く白い可憐な花。
花は一輪草によく似ているのですが、葉の部分が違うようですし、よく分かりません。
こちらも名前は分らないのですが、黄色い可憐な花です。
春の味覚、フキノトウ。
てんぷらや吹き味噌にするとほろ苦い春の香りがします。
子供は苦手のようですが…。
こちらも春の味覚、アサツキ。
ネギの代わりに使えますが、ネギよりも香りが良くて美味しいです。
5月頃には固くなってしまうのですが、この時期は柔らかくて本当に美味しい。
まだまだ出始めですが、これから野草たちがどんどん顔を出してきます。
野菜が少ない季節ですが、野に出れば食べ物があるという嬉しい季節ですね。

冬の間に薪をほとんど使い果たしてしまったので、薪を調達したり、
(ヤフオクで中古の運搬車をゲットしました。)
近所の方から頼まれた麹を仕込んだり。
そうこうしているうちにもうすぐお米の種籾の準備も始めなければなりません。
いよいよ忙しくなりそうです。


2017年3月25日土曜日

田んぼのワラの片付け

お彼岸前は晴れて暖かな日が続いていましたが、春分の日を過ぎて一転寒い日が続いています。
朝晩はかなり冷え込みます。
でも雪はすっかり解けたので田んぼの準備を始めています。
まずは秋の収穫後に忙しくて出来なかった藁の片付けからです。
収穫後のワラをどうするかというのは毎年悩むのですが、今年は時期も遅くなってしまったこともあって全量田んぼの外に持ち出すことにしました。
藁は田んぼに戻す方が自然だとは思うのですが、田植えまでに分解し切れなかった藁が田植え後に、稲の生育を阻害したり草の生育を助長したりと様々な悪さをするので、どう戻すかというのは大きなテーマです。
持ち出した藁は田んぼの畦の隅や、その場所が無い場合は軽トラで運んで畑の一角にこのように積んでおきます。
1年後、あるいは2年後にしっかり分解されてから田んぼに戻す方法でやってみようと思います。
写真が上手く撮れなかったので無いのですが、フキノトウや福寿草が咲き、春の訪れを告げてくれています。





2017年3月16日木曜日

お米の食味検査の結果が来ました!

先日依頼していたお米の食味検査の結果が来ました。
ドキドキしながら封筒を開けると…。

難しい数字が並んでいますが、お米に含まれる窒素(N)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、アミロース、の各成分の数値から食感を表す粘り値、食味を表す旨味値が算出されています。
2015年産と2016年産とをそれぞれ測定していただきましたが、結論から言うと、2015年産は良食味米の平均的な数値よりもやや高い評価で上々、2016年産はそれを上回る良食味という良い評価をいただきました!
印象的なのは、窒素の含有量が標準よりもかなり低いことです。
はやり自然栽培(無肥料)で栽培することによってお米に含まれる窒素の含有量が低くなるということが数字で証明されました。

これまでは、人が食べておいしいと思えればそれで良いというか、人間の主観や好みによる部分が大きい食味に関して機械で測定するということにあまり信用を置いていなかったのですが、客観的な評価をいただいたことでお客様にも自信を持ってお勧めすることが出来ます。

お米の品質的にはこれまでの栽培や管理は基本的には間違っていなかったということが分かったのですが、この食味を維持しつつ、少ない収量をいかに上げていくかということが今後の課題ですね…。
もうじき今年のお米作りが始まります。
今年も美味しいお米を皆様にお届けできるようがんばります。


2017年3月14日火曜日

麹作りと出前味噌作り

3月になるとそろそろ味噌作りのことが気になってそわそわしてきます。
信州では味噌は寒さが緩む3月に入ってからやるのが良いようです。
味噌は寒仕込みと言いますが、信州の1月、2月は寒すぎて…。
ということでまずは麹作りから。
今年はお米が少ないので大麦で仕込む麦麴でやってみることにしました。
浸漬した大麦をロケットストーブで蒸かします。
大麦は昨年の初夏に収穫した自然栽培の大麦です。
蒸けた大麦を広げて40℃くらいまで冷まし、麹菌をまんべんなく振ってよく混ぜ込みます。
昨年自作した麹蓋と麹室で約2泊3日間、温度と湿度を管理して麹菌を育てます。
この麹室はこたつ用のヒーターで保温、サーモスタットを使って温度管理するのですが、温度が一定以上上がると排気ファンが回って換気して温度が上がり過ぎないようにもしてあります。
この麹室のお蔭で温度管理がずいぶん楽になり、安定して麹が出来るようになりました。
とは言っても、ほったらかしという訳にはいかず、麹室の中でも上と下、手前と奥で温度がかなり違ってしまうので時々見て場所を入れ替えたり、「手入れ」と言って麹を撹拌してあげたりします。
前半は保温・保湿に努め、後半は麹自体が発熱して温度が上がってくるので、上がり過ぎないよう面倒を見てあげます。
手入れしすぎても麹菌の生育を妨げ失敗することもあるのでなかなか難しい…。
子育てと似ているかもしれませんね。
3日目、ホワホワの麹が出来上がりました。
食べてみるとほのかに栗のような甘みがなんとも言えない美味しさ。
出来上がった麹は麹室から出して塊をほぐしながら広げて温度を下げて「枯らし」ます。

翌日は出来上がった麹と昨年収穫した自然栽培の大豆を持ってご近所さんの味噌作りのお手伝いに出かけました。
この日は晴れて穏やかな春の日、3家族が集まってワイワイと皆さんそれぞれ一年分の味噌を仕込みました。
心を込めて育てた大豆と麦麹がこうして旅立つのを見届けることが出来るのは何よりうれしいことです。
皆さん、去年に続いてのご依頼で、去年仕込んだ味噌もとても美味しく出来上がりましたと言っていただきました。
こうしてまた今年も味噌作りのお手伝いをすることが出来て、感謝です。

今年はもう材料が完売となってしまいましたが、自然栽培の大豆と麹を使ったお味噌作りのお手伝いのご依頼承っております。
近場であれば出前もいたします。
来年となってしまいますが、ご興味のある方はお問い合わせください。






2017年2月27日月曜日

自家製藁つと納豆

大豆の選別時に除けたはねだしの小粒大豆とワラで粘りの強い納豆のできあがり。
ヨーグルトメーカーで温度管理するようになってから手作り納豆が手軽で身近なものになりました。
作り方はとても簡単で、一日浸漬した大豆を圧力鍋でしっかり蒸かし、その時にワラも雑菌の殺菌のために一緒に蒸かします。
ワラに納豆菌が棲んでいるのですが、納豆菌は高温に強いため死にません。
熱湯消毒した容器にワラを囲むように敷いて、その中に蒸かした大豆を入れ、あとはヨーグルトメーカーで40℃の設定で24時間から28時間くらい保温したら出来上がり。
出来てすぐは少し匂いがきつくクセがあるのですが、冷蔵庫で3日くらい熟成させると臭いも消えてとても美味しい納豆になります。
現代版の藁つと納豆ですね。

市販の納豆の納豆菌は純粋培養されたもので、中には遺伝子操作されたものもあると聞きます。
また、買うたびにゴミが出るというのもなんとなく嫌でした。
自家産の自然栽培の大豆と天然菌の納豆が好きなだけ食べられるという贅沢。
ヨーグルトメーカーをお持ちの方、ぜひ一度お試しください。


2017年2月22日水曜日

水稲勉強会

先日、松本市波田にある自然農法国際研究センターで行われた水稲の勉強会に参加してきました。
こちらのセンターで長年自然農法での水稲栽培を研究してこられた三木さんが、研究に基づいた技術や知見を惜しみなく教えてくださいました。

テーマは「草対策」、「水管理」、「お米の品質と食味について」。
毎年、草取りに苦労し、収量も安定しないという現状のよろこぶつち農園ですが、生える草をいかに取るかではなく、草の生えにくい田んぼ、草が少々生えていても稲が草に負けない栽培を目指したい!
その理想の実現のためのヒントをたくさんいただきました。
具体的な技術的なことも大事なのですが、3つのテーマを通じて大事なことは、いかに稲に気持ちよく伸び伸びと健康に育ってもらうか、ということに焦点を当てて作業を組み立てるということ。
そうするとおのずと、草の生えにくい、生えても稲が草に負けない、そして品質の良い美味しいお米がそこそこの収量で収穫することが出来る、ということ。
そのための具体的な技術や知識を長年の研究の成果をもとにわかりやすく教えていただき、本当に勉強になりました。

以下、印象に残ったところだけ、自分の忘備録的に書きますので、ご興味のない方は読み飛ばして下さい。
草対策の肝は秋の収穫後なるべく早く田んぼを乾かし、出来れば10月下旬頃までにワラを裁断してすき込み、翌年の田植えまでにできるだけ腐熟させること。
そうすることで、稲も根をのびのびと張ることが出来、草(特にコナギ)も減ってくるということでした。
これまでは秋に細断して広げたワラを、春になって田んぼが乾いた頃にすき込んでいましたが、田植えまでにワラが腐熟し切れずに稲の生育を妨げ、草の生育を助けていた側面もあったかもしれません。
ただ、よろこぶつち農園のある長野市大岡ではこれと同じことをするのは条件的に厳しそうです。
10月下旬頃までハザ掛け天日乾燥をしており、脱穀作業を終えるとすぐに10月末から11月初旬は大豆の収穫、麦の種まきで忙しくなり、雨も定期的に降るので田んぼもなかなか乾かなくなります。
この地ではワラを全部持ち出すという方法が良いのかもしれません。
その場合でも、草の発芽率を下げるためには田んぼをなるべく乾かすことが必要で、そこが課題となりそうです。

また、水管理については、これまで草を抑える目的から初期からの深水管理を心がけていましたが、初期の深水管理は稲の分茎を抑える作用もあり、バランスを見極めることも必要ということ。
中干しについても、無肥料栽培では必要ないと、これまではやってこなかったのですが、中干しをすることで秋に早く田んぼが乾き、それがひいては翌年の草を抑えることにもつながる、という指摘に納得してしまいました。
基本的に、水管理は稲の生育に合わせた生育調整技術であるということ、水管理の大切さについて、まだまだ知らないことがたくさんあるなと痛感しました。
いづれにしても、細かい水管理をするには田んぼの均平が取れていなくてはなりません。
よろこぶつち農園の田んぼは高低差がある田んぼが多くそれをいかに平らにしていくかが課題です。
お昼には3種類のお米を食べ比べ、それぞれの食味(品質)検査の結果と合わせてお米の食味と品質についての講義。実はこれまで機器による食味検査というものを、人の味覚を機械で数値化するなんて、とあまり信用していませんでした。でも、食味(品質)検査の数値から稲の生育状態の診断ができ、改善策を考えることもできるということも目から鱗で、去年収穫したササニシキと、一昨年収穫したササニシキとそれぞれ検査をお願いすることにしました。
結果が楽しみのような怖いようなですね。

ともすれば、感覚的なところで語られることの多い自然栽培とか自然農法ですが、このように研究やデータなどに基づいた理詰めでのアプローチは少し新鮮で、説得力がありました。
三木さん、ありがとうございました。

ここで得たことを、今後の自分の田んぼ仕事にどう活かしていくか。
雪が溶けたら動き出しますよ~。







2017年2月1日水曜日

干し柿の販売始めました。


自家製の干し柿の販売を始めました。
柿は、借りている畑の土手に生えているなりっぱなしの木。
自然栽培、というよりはほったらかしの放任栽培で、もちろん農薬・肥料は使っていません。
去年
秋に収穫した渋柿を皮をむいて軒先に吊るすこと、約2か月弱。
その間、渋が抜けて柔らかくなるように時々手でもんであげます。
吊るした時期が遅かったため、時間がかかってしまいましたが、じっくりとお日さまと冬の冷たい風に当って美味しい干し柿になってくれました。
この間、味見と称して食べる人がいるため、どんどん数は減っていきます。
我が家の冬の間の大事なおやつです。
乾燥具合にばらつきがあるため、良さそうなものから乾きすぎないように順次取り込んで紙袋に入れて熟成させます。
市販の干し柿に一般的に施されている硫黄燻蒸処理をしていないため、見た目は黒ずんでいますが、しっとり柔らかく、口に広がる自然な甘みは上品な和菓子のようでもあります。
(白い粉はあまり吹いていません。)

1袋6個入り(約280g)/500円
脱酸素剤入りパックでお届けします。
 
お日さまと風の力がギュッと詰まった自然なままの美味しい干し柿をぜひご賞味ください。
ウェブショップよりお求めいただけます。
http://yorokobutsuchi.cart.fc2.com/ca3/31/p-r3-s/

追記
その後、順次乾燥が進み、先にパッキングしたものよりも多少しっかりしていますが、白い粉も吹いていて味わいも濃厚なタイプのものも出来上がりました。