北アルプスを望む天空の棚田で、自然栽培(無肥料無農薬)でお米、大豆などを栽培、販売しています。

2017年4月21日金曜日

醤油の仕込み

ようやく梅が満開、と思ったらすぐに散り始め、同時に桜も咲き始めました。
この辺りは梅と桜が同時に咲くのです。
そんな中、醤油の仕込みをしました。
味噌は毎年仕込んでいるのですが、醤油は味噌と比べて手間と時間がかかるのでなかなか気合が要ります。
一昨年に、人に教わって初めて作った時の記録を引っ張り出して再チャレンジです。
まずは小麦を炒ります。
小麦は昨年の夏に収穫した自然栽培の南部小麦です。
一昨年作った時は台所のガス台でほうろくを使って少しづつ地道に炒ったのですが、気の遠くなるような作業だったので、今年は大きな銅鍋を借りて来て薪の火力で一気に炒ることにしました。
これがあればあっという間に終わるかなと思いきや…。
それでも一度にたくさん入れすぎるとダメで、全ての麦が鍋底にまんべんなく当たるくらいの量にとどめておくのがうまく炒る秘訣のようです。
初めはその要領が分からず焦げすぎた小麦をたくさん作ってしまいました。
合計10kの小麦を炒るのにけっこう時間がかかってしまいました。
この作業は、名古屋から来てくれた、「八百姓」こと中上嘉文さんに手伝って頂きました。
中上さん、ありがとうございました。
炒った小麦を製粉機で粗挽きします。
香ばしい香りが部屋中に広がります。
2晩水に浸しておいた大豆を柔らかくなるまでセイロで蒸かします。、

粗挽きした小麦と蒸かした大豆を混ぜ合わせて、人肌に冷めたころに醤油用の麹菌をまぶしてよくよく混ぜ合わせます。
麹蓋に盛り込んで3泊4日温度管理しながら麹を育てます。
醤油麹は温度が上がり過ぎてしまうと納豆菌が増殖して納豆になってしまうらしく、また低すぎても良い麹にはならないので気が抜けません。
味噌用の麹よりも長丁場です。
特に2日目の夜は麹菌の生育が活発で夜中も何度も起きて様子を見なければならず寝不足気味。
3日後、見事に緑色の醤油麹の花が咲きました。
樽に出来上がった麹と水と塩を加えてよくよく混ぜて仕込み完了です。
あとは日当たりの良い暖かい所に置いて時々天地返ししながら熟成させます。
上手くいけば一年後に美味しい醤油になります。
自家産の自然栽培の大豆と小麦で仕込んだ醤油、どんな醤油になるのか楽しみです。

2017年4月7日金曜日

田んぼの荒起こし

しばらく雨続きという天気予報を見て、その前にやらねばと田んぼの荒起こしをしました。
久しぶりにトラクター君も出勤です。
土の水分が多いとトラクターをかけた時に粘土を練ったようになってしまうので、なるべく乾かしてから耕したいのですが、このところ周期的に雨が降るのでタイミングを計りかねていました。
周期的に雨が降った割にはわりと良く乾いていて良い感じ。
ゴロゴロと粗く耕すことを心がけました。
乾土効果と草の発芽もある程度抑制することを期待して、田んぼは水を入れるまではなるべく乾かすことを心がけます。
今年は去年より早めの荒起こし、入水でいく計画なので、このタイミングで荒起こしをすることが出来てホッとしました。
入水は5月上旬の予定で、それまで約一か月間できるだけ乾かします。

大小合わせて全部で9枚の田んぼ、何とか雨降り前に終わらせることが出来ました。
トラクター君も頑張りました、お疲れさま。

2017年4月4日火曜日

お米の種籾の塩水選と温湯消毒

昨日、お米の種まきに向けて種籾の準備を始めました。
いよいよ今年のお米作りが本格的にスタートです。

種籾は去年収穫した籾を使います。
後々の作業をやりやすくするためにまずは籾についているノギ、ひげや軸を取り除きます。
古い餅つき機に籾を入れて回すのですが、この時変な時にスイッチが入ってしまい、種籾が辺り一面に飛び散ってしまうというハプニングがあり、泣きながら拾い集めるはめに(涙)。
次は塩水で充実した籾を選別する「塩水選」です。
比重1.15くらいの塩水を作り種籾を入れて浮いた籾をすくい取ります。
20ℓの水に4kgくらいの塩を使います。
かなりしょっぱいです。
沈んだ重い籾は充実していて病気にもなりにくく生命力が強いと考えます。
この工程で時間がかかってしまうと籾が水を吸ってしまい、この後の温湯消毒でゆだってしまうのでなるべく手早くやらなくてはなりませんが、量が多いと手間取ってしまうこともあり焦ります(汗)。
あらかじめお風呂を沸かし60℃まで温度を上げておいたところへ、沈んだ籾をネットに入れて7~8分間「温湯消毒」します。
種籾由来の病気をこれで防ぐことが出来ると言われています。
温度が高すぎたり時間が長すぎると籾がゆだってしまいますし、逆に温度が低かったり時間が短いと消毒効果がなくなるし、かなりシビアに温度と時間管理をしなくてはなりません。
温度計とキッチンタイマーとにらめっこです。
写真では種籾も薪風呂に入って気持ちよさそう(?)に見えますが、60℃のお湯ってかなり熱いです。
一般的な慣行農法ではこれを薬剤(農薬)で行うところ、ほぼ同じ効果があるということで素晴らしい技術ですね。
時間が来たらすぐに冷水で冷やして、そのまま種蒔きまで約2週間浸漬します。
品種はササニシキ、白毛モチ、黒米の3種です。

塩水選、温湯消毒はお米作りの初めの大事な仕事で失敗が許されないだけに、終わるとどっと疲れます。
健康で元気なお米が育ちますように。




2017年3月30日木曜日

春が来た!

寒くなったり暖かくなったりとまさに三寒四温、いや寒い日の方が多いような気がしますが、ようやく春らしくなってきました。
今回は家の周りで見つけた春の写真を紹介します。
少し前から咲いている春を告げる花、福寿草。

栗林の下に咲く白い可憐な花。
花は一輪草によく似ているのですが、葉の部分が違うようですし、よく分かりません。
こちらも名前は分らないのですが、黄色い可憐な花です。
春の味覚、フキノトウ。
てんぷらや吹き味噌にするとほろ苦い春の香りがします。
子供は苦手のようですが…。
こちらも春の味覚、アサツキ。
ネギの代わりに使えますが、ネギよりも香りが良くて美味しいです。
5月頃には固くなってしまうのですが、この時期は柔らかくて本当に美味しい。
まだまだ出始めですが、これから野草たちがどんどん顔を出してきます。
野菜が少ない季節ですが、野に出れば食べ物があるという嬉しい季節ですね。

冬の間に薪をほとんど使い果たしてしまったので、薪を調達したり、
(ヤフオクで中古の運搬車をゲットしました。)
近所の方から頼まれた麹を仕込んだり。
そうこうしているうちにもうすぐお米の種籾の準備も始めなければなりません。
いよいよ忙しくなりそうです。


2017年3月25日土曜日

田んぼのワラの片付け

お彼岸前は晴れて暖かな日が続いていましたが、春分の日を過ぎて一転寒い日が続いています。
朝晩はかなり冷え込みます。
でも雪はすっかり解けたので田んぼの準備を始めています。
まずは秋の収穫後に忙しくて出来なかった藁の片付けからです。
収穫後のワラをどうするかというのは毎年悩むのですが、今年は時期も遅くなってしまったこともあって全量田んぼの外に持ち出すことにしました。
藁は田んぼに戻す方が自然だとは思うのですが、田植えまでに分解し切れなかった藁が田植え後に、稲の生育を阻害したり草の生育を助長したりと様々な悪さをするので、どう戻すかというのは大きなテーマです。
持ち出した藁は田んぼの畦の隅や、その場所が無い場合は軽トラで運んで畑の一角にこのように積んでおきます。
1年後、あるいは2年後にしっかり分解されてから田んぼに戻す方法でやってみようと思います。
写真が上手く撮れなかったので無いのですが、フキノトウや福寿草が咲き、春の訪れを告げてくれています。





2017年3月16日木曜日

お米の食味検査の結果が来ました!

先日依頼していたお米の食味検査の結果が来ました。
ドキドキしながら封筒を開けると…。

難しい数字が並んでいますが、お米に含まれる窒素(N)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、アミロース、の各成分の数値から食感を表す粘り値、食味を表す旨味値が算出されています。
2015年産と2016年産とをそれぞれ測定していただきましたが、結論から言うと、2015年産は良食味米の平均的な数値よりもやや高い評価で上々、2016年産はそれを上回る良食味という良い評価をいただきました!
印象的なのは、窒素の含有量が標準よりもかなり低いことです。
はやり自然栽培(無肥料)で栽培することによってお米に含まれる窒素の含有量が低くなるということが数字で証明されました。

これまでは、人が食べておいしいと思えればそれで良いというか、人間の主観や好みによる部分が大きい食味に関して機械で測定するということにあまり信用を置いていなかったのですが、客観的な評価をいただいたことでお客様にも自信を持ってお勧めすることが出来ます。

お米の品質的にはこれまでの栽培や管理は基本的には間違っていなかったということが分かったのですが、この食味を維持しつつ、少ない収量をいかに上げていくかということが今後の課題ですね…。
もうじき今年のお米作りが始まります。
今年も美味しいお米を皆様にお届けできるようがんばります。


2017年3月14日火曜日

麹作りと出前味噌作り

3月になるとそろそろ味噌作りのことが気になってそわそわしてきます。
信州では味噌は寒さが緩む3月に入ってからやるのが良いようです。
味噌は寒仕込みと言いますが、信州の1月、2月は寒すぎて…。
ということでまずは麹作りから。
今年はお米が少ないので大麦で仕込む麦麴でやってみることにしました。
浸漬した大麦をロケットストーブで蒸かします。
大麦は昨年の初夏に収穫した自然栽培の大麦です。
蒸けた大麦を広げて40℃くらいまで冷まし、麹菌をまんべんなく振ってよく混ぜ込みます。
昨年自作した麹蓋と麹室で約2泊3日間、温度と湿度を管理して麹菌を育てます。
この麹室はこたつ用のヒーターで保温、サーモスタットを使って温度管理するのですが、温度が一定以上上がると排気ファンが回って換気して温度が上がり過ぎないようにもしてあります。
この麹室のお蔭で温度管理がずいぶん楽になり、安定して麹が出来るようになりました。
とは言っても、ほったらかしという訳にはいかず、麹室の中でも上と下、手前と奥で温度がかなり違ってしまうので時々見て場所を入れ替えたり、「手入れ」と言って麹を撹拌してあげたりします。
前半は保温・保湿に努め、後半は麹自体が発熱して温度が上がってくるので、上がり過ぎないよう面倒を見てあげます。
手入れしすぎても麹菌の生育を妨げ失敗することもあるのでなかなか難しい…。
子育てと似ているかもしれませんね。
3日目、ホワホワの麹が出来上がりました。
食べてみるとほのかに栗のような甘みがなんとも言えない美味しさ。
出来上がった麹は麹室から出して塊をほぐしながら広げて温度を下げて「枯らし」ます。

翌日は出来上がった麹と昨年収穫した自然栽培の大豆を持ってご近所さんの味噌作りのお手伝いに出かけました。
この日は晴れて穏やかな春の日、3家族が集まってワイワイと皆さんそれぞれ一年分の味噌を仕込みました。
心を込めて育てた大豆と麦麹がこうして旅立つのを見届けることが出来るのは何よりうれしいことです。
皆さん、去年に続いてのご依頼で、去年仕込んだ味噌もとても美味しく出来上がりましたと言っていただきました。
こうしてまた今年も味噌作りのお手伝いをすることが出来て、感謝です。

今年はもう材料が完売となってしまいましたが、自然栽培の大豆と麹を使ったお味噌作りのお手伝いのご依頼承っております。
近場であれば出前もいたします。
来年となってしまいますが、ご興味のある方はお問い合わせください。